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2020.10.10

からだ

肥満治療評論家に聞いた、4つの“ダイエット都市伝説”はウソかホントか

「ダイエットのモチベアップ術」とは……
“絶食が体に良い”なんてひと昔前までは信じられないことだったが、最近では効果てきめんなダイエット法として多くの人に知られるようになった。
このように、ダイエットに関する一般常識は、時代の変化によって覆されることがあるため、何が正しいのか混乱してしまうことが多々ある。
そこで、肥満治療評論家として数々のテレビや雑誌に引っ張りだこの医師・工藤孝文先生にダイエットにまつわる“都市伝説”の真偽を確かめた。

話を聞いたのはこの人!

工藤孝文(くどうたかふみ)●東洋医学・漢方医。福岡大学医学部卒業後、アイルランドとオーストラリアへ留学。帰国後は大学病院などを経て、福岡県にある工藤内科の副院長に。東洋医学・漢方治療、糖尿病・ダイエット治療を専門とし、多数のテレビ番組に肥満治療評論家として出演。自身も10カ月で25㎏の減量に成功した経験を持つ。 『毎日100gダイエット! 内臓脂肪を減らす食べ方』(日本実業出版社)など著書多数。

①「肥満は遺伝する」はホント? ウソ?


同じ量を食べているのに太る人と太らない人がいる。その違いはやはり、よく言われているように遺伝なのだろうか?
ホントです。体のエネルギー代謝の量によって太りやすい、太りにくい、という差が生まれるのですが、この代謝の量に関連するいくつかの肥満遺伝子が発見されています。
実際、遺伝子に変異がある人では基礎代謝が低下し、太りやすくなることがわかっています。『肥満は遺伝が3割、生活習慣が7割』という日本肥満学会の報告もあるので、少なからず遺伝が肥満に影響を及ぼしている可能性はあります」。

 

②「標準体重(kg)=身長(cm)-110cm」はホント? ウソ?


標準体重を測る指標としてよく見かけるこの計算式。果たして正しいのか……。
「これはウソです。正確な計算方法は『標準体重(kg)=身長(ⅿ)×身長(ⅿ)×22』です。この公式を使えば、身長170cmの人の場合、『1.7(m)×1.7(m)×22=63.6(kg)』。
これは肥満度を測る国際的な指数であるBMI(Body Mass Index)に基づくもの。『BMI=体重÷身長(ⅿ)×身長(ⅿ)』で求めることができ、『22』になるときに、高血圧や高脂血症、肝障害の有病率がもっとも低くなるとされています。この『22』のときの体重を理想体重と考えることから、前述した公式が使われているんです」。


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