水のソムリエが選ぶ世界から集めた9水。選び方、飲み方、期待できる効果
雄大な山脈の麓。原生林を分け入った先に、OCEANS水バーはある。岩肌からは勢いよく水が湧き出し、まさに風光明媚な景色が広がっている。
そこで供されるのは酒ではなく、世界中から集められた選りすぐりの水。連日賑わうその店の扉は、カラダの悩みを抱える人にのみ開かれるという。
そして店を後にする客は異口同音にこう語る、「これは百薬の長である」と。
まずは水の基礎知識とスバラシイ魅力を
OCEANS水バーの店長を務めるのはアクアソムリエの山中亜希さんだ。水の選び方から効果にいたるまで、その魅力を知り尽くしたスペシャリストが奥深き水の世界へ僕らを誘ってくれる。
「水が人体に占める割合は約60%。水は体温や血圧を正常に保ち、血液や酸素を全身に送りこみ、尿や便を排出する。そうしたヒトの生命維持に欠かせない働きをしています。だからこそ毎日飲む水の質でその作用や働きは変わる。つまり、カラダに大きな影響を与えるのです」。
山中さんが推薦するのはずばり、ミネラルウォーターだ。地面へ浸透した雨水が長い年月をかけて地層を通り抜けるとき、岩盤から溶け出したミネラル分を吸収する。その水がミネラルウォーターである。
「ミネラルとは3大栄養素(タンパク質、糖質、脂質)で補給されるエネルギーを円滑に動かすために欠かせない栄養素です。カルシウムやマグネシウム、ナトリウム、カリウム、リンなどがあります。普段の食事では十分に摂取することが難しいため、ミネラルウォーターでの補給が合理的なのです」。

ミネラルウォーターを選ぶポイントとなるのがラベルに表記されている水の硬度だ。
「硬度とは水に溶け込んだカルシウムとマグネシウムの量を表す指標です。1L当たりの含有量によって、軟水(0〜178mg以下)、中硬水(178〜357mg未満)、硬水(357〜1000mg未満)、超硬水(1000mg以上)に分類。
硬水は味に重みがあり、カラダに合わないと下痢を起こすこともあるのでご注意ください」。

また種類もさまざまだ。200m以深の深海で採水される海洋深層水や温泉成分を含む温泉水。pH値が高いアルカリイオン水、炭酸ガスを含む炭酸水は人気が高い。
厳密にはミネラルウォーターではないが、水素分子を溶け込ませた水素水も注目されている水だ。
「私自身、ミネラルウォーターを飲み始めて便秘が解消して肌荒れが治った経験があります。風邪や二日酔いもなくなりました。確かな手応えを感じられる健康法なんです。飲み方のコツは、1日2Lを目安にして、常温の水をこまめに飲むことです」。
飲む水の質を変えるだけで体調は変わり、健やかな人生を約束してくれるのだ。
![]() | アクアバー店長 山中亜希さん 2004年イタリアにて日本人初となるアクアソムリエの資格を取得。帰国後、ミネラルウォーターの専門スクール「アクアデミア」を開校。ミネラルウォーターの専門店「アクアストア」のディレクターを務めるほか、講演活動や企業へのコンサルティング業務を行っている。 |
加齢とともに気になりだした体型の変化や衰え……。俺たちを取り巻く体の悩みは山積みだ。もうこれ以上、オジサンになりたくない。そこでオーシャンズは40歳からのSTAY YOUNG総合研究所を立ち上げることにした。直面する問題にしっかりと向き合い、若々しくあるためのメソッドを探る。
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渡辺修身=写真 Cozy Tomato=イラスト 押条良太(押条事務所)=編集・文