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2020.08.08

からだ

ゆがみは万病のもと! 体の左右バランスを「ラジオ体操」で整える方法


「ラジオ体操2.0」とは……
「最近、腕を上げると肩まわりに痛みが出る」「肩を回すと肩甲骨まわりからゴリゴリ音が出る」……。その原因、体のゆがみにあるかも。
そこで今回は「体をねじる運動」と「腕を上下に伸ばす運動」で体をメンテナンスし、左右バランスを整えよう!
【教えてくれる人】新田幸一さん
高地トレーニングを街中で体験できるスタジオ「ハイアルチ」の開発者であり、プロデューサー。長年のトップアスリートたちへの指導経験を活かし、高地トレーニングの効果を最大限に引き上げるメニューを構築。現在は、浦和レッズの槙野智章選手をはじめとしたトップアスリートのほか、大学駅伝の選手たちのトレーナーも務めている。

体のマイナートラブルは「軸のゆがみ」が原因だ!

-「体をねじる運動」と「腕を上下に伸ばす運動」、今回もかなりシンプルな体操ですが、どのような効果が期待できるのでしょうか?
新田:これらは体の軸のゆがみを整え、さらに肩甲骨まわりの筋肉を柔らかくし、肩関節や肩甲骨をスムーズに動かせるようになるエクササイズです。
-体の軸、というと?
新田:頭頂部から1本のまっすぐな棒が、体の真ん中を縦に通っているとイメージしてください。背骨に沿って棒が通っていると言えばわかりやすいですかね。人間の体はその棒を中心にして、左右均等に分かれています。肩も脚も、バランスよく配置されているのです。しかし、棒がゆがむと、左右のバランスが崩れてしまう。
-左右のバランスが崩れると、どんな弊害が発生するのですか?
新田:関節のつながりが悪くなるから、動かすとゴリゴリと音がしたり、痛みが発生します。軸のゆがみがひどい部分に痛みは出やすいのですが、全身の関節はつながっているので、肩まわりに問題があるけれど脚が痛くなる、と言うように、離れた場所に痛みが出るケースもあります。
最初は「動かすと痛い」とか「コリがひどい」など、日常生活においてあまり支障がないので見逃しがちですが、放っておくと肩の高さの違いが見た目でもはっきりわかる「側弯症」などの障がいが発生する場合もあるので、初期段階、というか日常的にゆがみを整えておくことが大切なんです。
-軸がゆがむ原因として考えられるのは?
新田:「鞄をいつも同じ側にだけ掛けている」「いつも決まった側の脚を組む」「いつも決まった側の手で頬杖をつく」「片方の脚だけに体重をかけて立つ」など、いろいろあります。片側だけに偏った動きをすること。これが主な原因ですね。あとは猫背。
-その軸のゆがみを今回のエクササイズで改善できるわけですね?
新田:「体をねじる運動」は、まっすぐな軸を支えている筋肉に刺激をしっかり与え、筋力を高められます。まずそれで軸のゆがみが整えられる。そこに肩甲骨の可動域を広げる「腕を上下に伸ばす運動」をプラスすると、効果が倍増します。
-肩甲骨の可動域を広げると良いってよく耳にしますけど、どんないいことがあるんですか?
新田:肩まわりの硬くなった筋肉をほぐせるという点ですね。軸のゆがみは肩甲骨まわりにある大きな筋肉の硬さも原因となるので、そこがガチガチのままだと、いくら軸を整えるエクササイズをしても効果が上がらないんですよ。だから合わせ技で行うというわけです。
-せっかくの運動が台無しになってしまうと。
新田:硬いほうの筋肉に軸がグッと引っ張られてゆがんでしまうんですよね。軸がゆがんでしまうと肩甲骨の左右バランスは大きく崩れ、別の不調につながることもあります。
例えば、先ほど解説した側弯症は、背中や腰の痛み以外に、心肺機能が低下させることもあるんです。とにかく軸のゆがみ、肩甲骨まわりの硬さは万病のもと。日常的にしっかり整えておきましょう。


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