動きがシンプルだからこそ、丁寧に
-「体をねじる」「腕を上下に伸ばす」というのは、すごく単純な動きだけについ惰性で行っちゃいそうですね。新田:それこそがラジオ体操の効果を下げてしまう落とし穴なんですよ。簡単単純だからこそ、より慎重に、丁寧に行わないといけません。例えば「体をねじる運動」で、反動をつけて左右にブンブンと乱暴に体をねじるとグラついちゃいますよね。それじゃあ軸を支える筋肉は強化できません。
-たしかに。反動をつけて行うと、筋肉を動かしているという感覚はなくなりますね。新田:特に、斜め上に腕を振りあげる時は体がグラつかないように注意してください。腕を重りがわりにするイメージでねじると、軸(体幹)まわりの筋肉に適切な負荷がかけられます。
【体をねじる運動】-「腕を上下に伸ばす運動」は、肩甲骨が動くのを強く感じられますね。わかりやすい!新田:「
大きく背伸びの運動」もそうですが、あと5cm上に指先を伸ばす意識がポイントです。カカトもしっかり上げること。頭頂部に紐がついていて、真上ピンと引っ張りあげられるようなイメージで腕を伸ばしてください。
逆に腕を下ろすときは、肩甲骨をグッと引き下げるような意識で行いましょう。上げ下げにメリハリをつけることで肩甲骨が上下に大きく動く。それによって、周囲の筋肉も硬さもとれます。
【腕を上下に伸ばす運動】-スピードアップして行うときの注意点はありますか?新田:スピードアップ時に限らずですが、上体ねじるときに腰からねじらないように注意してください。腰(骨盤)は常に正面を向いている状態を意識しましょう。
腰痛持ちの人で痛みが強い人は「体のねじる運動」は控えたほうが無難です。
●トレーニングの流れ
STEP1 ウォーミングアップ
90~100bpmの速さで「体をねじる運動」+「腕を上下に伸ばす運動」
規定回数を行う。
↓
STEP2 スピードアップトレーニング
「体をねじる運動」と「腕を上下に伸ばす運動」をそれぞれ30秒間全力で行う
↓
STEP3 クールダウン
90~100bpmの速さで「体をねじる運動」+「腕を上下に伸ばす運動」を規定回数行う
【スピードアップトレーニングの動画はこちら】「ラジオ体操2.0」誰しも子供の頃に、一度はやった記憶があるだろう「ラジオ体操」。そのルーツは戦前までさかのぼる。そして、馴染み深い現在のラジオ体操第1は1951年、第2は1952年に正式制定されたものだ。そんな“国民的体操”を子供や高齢者のための運動と思ってはいないだろうか? それは大きな間違い!ラジオ体操は体の構造を徹底的に研究して考案された「スキのない全身運動」なのだ。これを極めれば、特別な筋トレやストレッチをせずとも体を進化させられる!
上に戻る 【取材協力】 ハイアルチ 吉祥寺スタジオ 住所:東京都武蔵野市吉祥寺東町1-17-18 電話番号:0422-22-7885 営業:10:00~22:00(平日)、10:00~19:00(土・日・祝) http://high-alti.jp/ 空間をまるごと低酸素状態にしたスタジオで行う「ハイアルチテュード(高地)トレーニング」を、気軽かつ、リーズナブルに体験できる日本初のハイアルチテュード専門スタジオ。専門トレーナー指導のもとでのトレーニングなので、安全に効率よく鍛えられる。都内では、吉祥寺のほかに、三軒茶屋、代々木上原にスタジオを構える。 |
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実践してくれた人】松森 亮さん千葉県船橋市出身。1977年生まれのオーシャンズ世代。市立船橋高校サッカー部時代は選手権全国優勝を経験。U-20日本代表選出され、1996年にジュビロ磐田とプロ契約。引退後はジュビロ磐田で2015シーズンまで広報や運営に携わる。2020年より高地トレーニングスタジオ『ハイアルチ』吉祥寺のGMを務める傍ら、並行して、女子サッカークラブのアドバイザーやモデル業も行うなど精力的に活動中。
楠田圭子=取材・文 渡邊明音=写真