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2020.07.18

からだ

ラジオ体操をもう一度!「大きく背伸びの運動」だけで体は整う

ラジオ体操2.0
「ラジオ体操2.0」とは……
本企画では、フィジカルトレーナーである新田幸一さんが、ラジオ体操を時短&高効率エクササイズにバージョンアップ。ラジオ体操の長所を最大限に生かしつつ、プラスαの要素を加えた、その名も「ラジオ体操2.0」だ。
2.0は、進化・バージョンアップの意。まずは論より証拠、実践あるのみ。「時間がない」「運動経験がない」と嘆く人でも短期間で効果を実感できるはずだ。
初回はラジオ体操第1のスタート運動である「伸びの運動」と「腕を振って脚を曲げ伸ばす運動」を、時短で高効率なトレーニングへとバージョンアップしていこう。この運動は特に「気付けば猫背でパソコンやスマートホンを見てしまっている」「がんこな肩こりに悩まされている」という人にイチオシだ。
【教えてくれる人】新田幸一さん
高地トレーニングを街中で体験できるスタジオ「ハイアルチ」の開発者であり、プロデューサー。長年のトップアスリートたちへの指導経験を活かし、高地トレーニングの効果を最大限に引き上げるメニューを構築。現在は、浦和レッズの槙野智章選手をはじめとしたトップアスリートのほか、大学駅伝の選手たちのトレーナーも務めている。
 

「伸びの運動」だけで、体調万全に!

-ラジオ体操と聞くと、小学校の体育の授業の準備運動とか、夏休みの早朝に公園や広場に集まっやった体操っていうイメージが強いので、体を鍛えるという目的には適さないような気がしますけど……。
新田 : それがまず、大きな勘違いです。ラジオ体操を最初から最後まで、丁寧に行ってみてください。最後の運動にたどりつく前にハアハアしてしまうほどハードですよ。逆に「もの足りないなぁ」と感じる人は、正しく行えていない証拠です。
-正しいフォームで行うほど体に効く、ということですね?
新田 : そういうことです。
-今回からラジオ体操の動きを2種類ずつくらい行っていくわけですが、細切れにする理由は?
新田 : 正しいフォームを徹底的に体に叩き込んでもらうためですね。ラジオ体操って、一つひとつの運動が効かせたい筋肉や関節のことをしっかり考えて、最大限に効果をあげられるようになっているんです。だから、適当にやってしまうのは非常にもったいない。
-ラジオ体操は第1、第2ともにそれぞれ13種類のエクササイズで構成されていますが、ダラ〜っと流しで行ってしまうと、一つひとつの運動がけっこう適当になっちゃいますよね。
新田 : きっちり行うことで、ウォーミングアップ〜トレーニング〜クールダウンまで、すべてをまかなえる体操だと思います。さらに本企画では、ラジオ体操の唯一の欠点ともいえる、心肺機能を高める効果を補うべく、各運動を速い動きで行うことを取り入れてみたいと思います。
心肺機能が高まることで、階段の上り下りがラクになったり、血行が良くなったり、血圧の上昇を押さえることができたりと、健康維持に直結します。また、ランニングなどの有酸素運動もラクにできるようになります。
-今回はラジオ体操第一のスタート、「伸びの運動」と「腕を振って脚を曲げ伸ばす運動」ですが、これはどこに効くのでしょうか?
新田 : ズバリ、肩こりですね。あとはスマホ首に悩む人にはぜひ行ってほしい。猫背が原因で肩こりが発生しているような人に、特におすすめです。
-確かに「伸び」と「腕を回す」という動きは、ピンポイントで肩まわりをほぐせそうですね。
新田 : よく考えてみてください。普段の生活で伸びをする機会ってほとんどないと思いませんか? 伸びをして全身の筋肉を意識的に伸ばしてあげないと、全身の筋肉が縮こまって硬くなり、血行が悪くなってしまうんです。
すると、肩こり、腰痛など、全身のトラブルを引き起こすことにもなる。筋肉は自ら伸びないという性質を持つ組織なので、こっちから伸ばしてあげないと、どんどん硬くなってしまうことを覚えておいてください。特に、デスクワークがメインの人は要注意です。ほっとくと関節まで固まって四十肩に陥ってしまいますよ。 
-単純な動きですが、背伸びを軽くみちゃいけないんですね。


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