2020.07.14
HEALTH

にわかランナーに黄信号! ポイントは「膝音」。40代の“膝トラブル”対策

「ゴールデンウィーク明けから、膝の痛みを訴える患者さんが増えました」。

そう語るのは、東京の関町病院・院長、丸山公(まるやま・こう)医師である。主な要因は、コロナ太りの解消を目指す“にわかランナー”の増加だが、「まったく無茶しちゃって」などと他人事でいてはいけない。そこには我々アラフォー世代にとってシビアな落とし穴が待っているからだ。

というワケで、ランニングやウォーキングで陥りやすい膝のトラブルの危険性とその対処法について解説しよう。

 

膝トラブル、40代男性の多くに予兆あり?

ビビらせるつもりはないが、なぜ膝の痛みに注意が必要かというと、それは将来、自分で歩けなくなるかもしれないから。厚生労働省の発表によると、介護を必要とする要支援者の抱える疾患は、「関節疾患」が19.4%で最多となっている。

コラーゲンの研究・開発を続けるゼライス株式会社の調査(※)によると、膝トラブルを抱える患者の男女比は、50歳以降だと女性のほうに多く見られるという。しかし、「痛みはないものの、膝の音や違和感を感じることがある」と最も多く答えたのが40代の男性。その数は実に解答者の90%(!)にも上ったのだという。

現在、オーシャンズ世代の多くが、潜在的な膝トラブルを抱えている。ランニングを始めたことで、初めて黄信号に気付く人も増えているのである。いやいや、これは本当に他人事じゃない。

※「ゼライス 膝の痛み・音に関する調査」実施概要 
■対象:膝に違和感を覚えたことがある40~70代男女、計400名
■実施日:2018年11月

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膝の「ポキポキ」音はトラブルの始まり

膝の違和感でもっとも多いのが、膝から生じる「音」だ。

膝トラブルに詳しい丸山医師曰く、膝音は3段階のフェーズに大別できるという。

フェーズ①:膝音初期

そもそも膝の音が鳴るメカニズムだが、通常、骨と骨とが連結する関節面はクッションの役割をする“軟骨”と潤滑油の役割をする“関節液”、それらを覆う“滑膜”や“関節包”によって構成されている。

しかし、膝関節内部の関節液は加齢とともに減少する傾向があり、それに伴って軟骨が摩耗してしまうため、動作時に関節面が擦れあって「ギシギシ」「ポキポキ」という音として感じられるのだ。

フェーズ②:膝音中期

軟骨の摩耗がさらに進行すると、関節面がツルツルになり、再び音がならない時期に入る。滑膜炎によって関節液が増しても同様に音がならなくなる。痛みも生活に支障がない程度で、良くなってきた? と錯覚してしまう時期が実は中期に当たるという。

フェーズ③:膝音進行期

進行した関節面の摩耗が、軟骨の下の骨自体にまで及んでしまう状態。音のない中期から一転して「ザラザラ」「ゴリゴリ」などの音が感じられるようになり、痛みも増してくる。ここまでくると本格的に医学的な対応をしなければ、将来は日常生活の歩行にも支障が出る可能性があるのだとか。

 

見逃し厳禁! 膝音は重要なアラーム

丸山医師によると、「最初に膝音を感じたときがケアを始めるタイミングだと言えるでしょう。一度でも膝音を感じたことがある方は、その後、膝音がしなくなったらむしろ要注意」だそう。

「膝の痛みが慢性化している人の多くは、40~50代のときに、膝の音やこわばりなどの違和感を覚えていた方が多いようです。10年後、20年後に膝の痛みで暮らしに支障が出ないよう、早期治療が肝要です」。

膝音に違和感を覚えたら、なるべく早めのケアが大切なのだ。

 

膝に違和感を覚えたら……

例えば体重のコントロール。肥満体型であればその分、膝への負担もかかる。膝を温めて屈伸運動をすることも関節の動きを滑らかにするので、適度な入浴、ストレッチも重要だ。夏だからといって体を冷やすのもよくない。正座も膝へ負荷がかかりやすいので避けておこう。

そのほかに丸山医師が推奨するのが、軟骨構成成分の生産を促進し、摩耗や破壊を軽減する機能を持つという“コラーゲン・トリペプチド”を摂取すること。実際に膝の痛みを抱える患者で臨床試験も行われていて、症状改善の有効性も示唆されるなど、整形外科医からも注目されている。膝に違和感を持った人は、一度サプリを試してみると良さそうだ。

 

アクティブなライフスタイルを長く楽しむには、日頃のメンテナンスは欠かせない。膝トラブルも今から正しく理解し、適切に対処していくことで、これから先の人生も笑って歩いていけるはずだ。

 

原嶋鉄人=取材・文 丸山 公=取材協力

# ランニング# 膝トラブル
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