2020.05.30
HEALTH

座って寝るだけで「猫背」と「呼吸のしにくさ」が改善する、2分の時短ケア

時短ケア

「時短ケアのススメ」とは……

街中で「高地(低酸素)トレーニング」体験できてしまうトレーニングスタジオ「ハイアルチ」のプロデューサーであり、Jリーガーを筆頭に多くトップアスリートのフィジカルコーチを務める新田幸一さんに、短時間でも効果抜群のトレーニング&ケア術をレクチャーしてもらう本企画。

長時間のデスクワークやスマホによって、無意識のうちに猫背になってしまいがちな現代人。猫背は骨格をゆがませ、全身にさまざまな不調をもたらす、最悪の姿勢だ。ナメていると、内臓の不調につながる可能性もある。とはいえ、デスクワークの時間を短縮するために仕事を減らすなんて無理な話。

そこで今回は、簡単かつシンプルな姿勢矯正のための超時短ケアを紹介しよう。

時短ケア【教えてくれる人】新田幸一さん
高地トレーニングを街中で体験できるスタジオ「ハイアルチ」の開発者であり、プロデューサー。長年のトップアスリートたちへの指導経験を活かし、高地トレーニングの効果を最大限に引き上げるメニューを構築。現在は、浦和レッズの槙野智章選手をはじめとしたトップアスリートのほか、大学駅伝の選手たちのトレーナーも務めている。

アンバランスな体の使い方が猫背をもたらす

猫背は筋肉や関節の痛みなどのメカニカルトラブルだけでなく、心のトラブルをも引き起こす悪姿勢。なぜ悪なのかと言えば、呼吸がしにくくなるからである。

「姿勢が悪くなると、胸を開いて肺を膨らませることができなくなるので、肺にたくさんの空気を取り入れられなくなリます。すると、脳が過剰に興奮した状態になり、交感神経も過活発となってしまうんです。交感神経は体を興奮状態に導く神経なので、日中に活発になっているぶんには体の動きが良くなって、活動的になれるのですが、夜までこの状態が続いてしまうと体を休ませられなくなる。これがずっと続いてしまうと、疲れがたまって体調不良が発生することもあります」。

深呼吸をするとき、無意識に胸を大きく広げる動作をするはずだ。これは、左右の肋骨をつなぐ胸骨から構成される「胸郭」という部位を大きく広げるためだ。胸郭が閉じていると、肺が押さえつけられて大きく膨らませることができなくなってしまう。

「胸郭が閉じている状態で運動すると、酸素を十分に取り入れることができないので、すぐに息切れしてしまうんです。さらに、呼吸が浅くなると眠りの質も大幅に低下します。これも疲れが溜まる原因のひとつです」。

では、なぜデスクワークなど同じ姿勢でいる時間が長くなると、自然と猫背になってしまうのだろうか?

「猫背は骨盤が後ろに倒れることで脊柱(背骨)が丸まってしまう状態です。理想の背骨の形状は横から見てS字になっている状態ですが、胸椎と呼ばれる胸付近に位置する背骨は、もともと前傾している形状となっていて前に倒れやすい構造になっているんです。だから、意識的に背すじを伸ばしてあげないと、体は自然と前に傾いてしまう」。

さらに、猫背のまま長時間いると、縮こまった筋肉に背骨が引っ張られたり、押さえつけられたりするので、さらに悪化していくという。

「背骨のS字カーブが崩れる原因として考えられるのは、体の前後左右のアンバランスさ。猫背はもちろん、『片方の脚だけに体重をかけて立っている』といったことの積み重ねでどんどん悪化します」。

そこで有効なのが、体をあえてアンバランスな状態にして、バランスをとる時短ケアだ。

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意識的に体のバランスをとるエクササイズ

今回は、体の前後左右のバランスをとろうとする動きを意識的に行うことで、正しい姿勢を保つために必要な筋肉を鍛え、同時にアンバランスな姿勢の矯正を目指す時短ケアだ。これにより、胸郭を柔軟にして肺を大きく膨らませられる状態をつくることもできる。

まずテニスボール・バランス。テニスボールの上に座ってバランスをとり続けるだけで、背骨の配列を矯正できるという効果がある。

「背骨の終点である尾骨を支点にしてバランスをとることで、背骨のひとつひとつのジョイント部分の硬さがとれてアライメントが整い、正常なS字カープを取り戻すことができます。背すじを伸ばすことが効果を高めるポイントです」。

【テニスボール・バランス】

時短ケア
椅子や台の上にテニスボールを置き、尾骨の下あたりにテニスボールがくるように座る。背すじを伸ばし、体が前後左右に揺れないように1分間バランスをとる。

もうひとつがフォームローラー・バランス。胸郭まわりの硬さをとり、胸を大きく開けるようになるエクササイズだ。

「両腕を大きく広げてフォームローラーの上に寝転がるだけです。硬くなって開きにくくなっている胸郭まわりを柔軟にできます。とはいえ、けっこうグラグラしてバランスをとるのが難しいんですが、両脚で体のグラグラを抑えることで体幹まわりの筋肉にも刺激を与えられるので一石二鳥のエクササイズになるんです」。

【フォームローラー・バランス】

時短ケア
フォームローラーの上に1〜2分間寝る。両腕を広げて床につけ、胸を大きく広げることを意識しよう。両脚は膝を伸ばして大きく広げて体が左右に揺れないようにバランスをとる。

「テニスボール・バランスは、1時間に1回くらいのペースでデスクワークの合間に行うといいでしょう。フォームローラー・バランスはテレビを見ながらやるのもアリです。こちらも1日何回でも行っていいですよ。続けることで背骨のアライメントが整えられ、姿勢や呼吸の改善に繋がります」。

「時短ケアのススメ」
トップアスリートだってしきりに言っている。「長く現役生活を続けるためには練習と同じくらい体のケアが必要だ」って。毎日せっせと働き、休日は家族サービスに勤しむ40代男性諸君、無理は良くない。まだまだ先は長いのだ。「最近、体のあちこちが痛い」「疲れがちっとも抜けねえ」などと、さまざまな体の不調を感じているなら、ここはひとつ、時短でサクッと体を整えてあげてほしい。上に戻る

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【取材協力】
ハイアルチ 吉祥寺スタジオ
住所:東京都武蔵野市吉祥寺東町1-17-18
電話番号:0422-22-7885
営業:10:00~22:00(平日)、10:00~19:00(土・日・祝)
http://high-alti.jp/
空間をまるごと低酸素状態にしたスタジオで行う「ハイアルチテュード(高地)トレーニング」を、気軽かつ、リーズナブルに体験できる日本初のハイアルチテュード専門スタジオ。専門トレーナー指導のもとでのトレーニングなので、安全に効率よく鍛えられる。都内では、吉祥寺のほかに、三軒茶屋、代々木上原にスタジオを構える。

 

楠田圭子=取材・文 渡邊明音=写真

# デスクワーク# ハイアルチ# 時短ケアのススメ# 猫背
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