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2020.04.04

からだ

Jリーグのミッドフィールダーの加速力を、筋肉の質から変貌させた時短トレ

時短高負荷
「ジタンコウフカのススメ」とは…
時短で理想のボディが手に入る「高地(低酸素)トレーニング」を、街中で体験できてしまうトレーニングスタジオ「ハイアルチ」。そのプロデューサー兼フィジカルコーチである新田幸一さんに、時短高負荷なトレーニングをレクチャーしてもらうこの企画。
今回はJリーグでミッドフィールダーとして活躍していたある選手に、ボールにより多く触れるための加速力を授けた時短トレを紹介する。
【教えてくれる人】新田幸一さん         時短高負荷
高地トレーニングを街中で体験できるスタジオ「ハイアルチ」の開発者であり、プロデューサー。長年のトップアスリートたちへの指導経験を活かし、高地トレーニングの効果を最大限に引き上げるメニューを構築。現在は、浦和レッズの槙野智章選手をはじめとしたトップアスリートのほか、大学駅伝の選手たちのトレーナーも務めている。

速筋の割合を増やして加速力を高める

サッカーにおけるミッドフィールダーは、フォワードとディフェンダーの中継役であり、攻撃と守備の両方に関わらなくてはならいため、さまざまな身体機能の優位性が求められるポジション。「90分間ボールを追い続けることができるスタミナ」「ボール、味方、相手の動きに瞬時にタイミングを合わせられる反射神経と俊敏性」などがそうだ。
某JリーガーのD選手は、これらの能力をバランスよく持ってはいたものの、ひとつだけ決定的に欠けているものがあった。それが“トルク不足”だ。
「ミッドフィールダーって、攻守のバランスをとるために試合中できるだけボールに触れていなければならないポジションですよね。だからマイボールに対していかに素早く、かつ貪欲にアプローチできるかが重要なんです。
そこで必要なのが『トルク』、すなわち加速力です。トルクって、クルマ好きの人ならピンとくると思いますが、アクセルをグッと踏んでから一気に高速域に突入する力のことです。D選手は、この能力が少し物足りなかった」。
時短高負荷
加速力の優劣を決する大きな要素となるのが「筋肉の質」だと新田さんは言う。例えば、極限の加速力が求められる「100m走」で優れた成績を残している選手は、「速筋型」の筋肉の割合が多いことがわかっている。一方、マラソンのような持久力を要するスポーツでは、「遅筋型」の筋肉の割合が多い選手が有利と考えられている。
「D選手のハイアルチでのトレーニングの様子や試合でのパフォーマンスを見ると、彼の筋肉の質は遅筋型に近い感じでした。ですからトルク不足の原因もそこにあると。
ここで大事なのが、遅筋と速筋の割合は遺伝的要素も強いとは言われているものの、トレーニングによって遅筋型から速筋型、あるいは速筋型から遅筋型に近づけることは可能だということです。だから、D選手には、速筋の量を増やす時短トレーニングを提案しました」。


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