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全力ダッシュでパワフルな速筋を鍛える!

新田さんがD選手に提案した時短トレは、ハイアルチの自走式トレッドミルを使用して、5秒以内で一気に時速20kmまで加速する、というものだ。時速20kmとは、100m走なら約18秒、50m走なら約9秒で走る計算。全力ダッシュで一気に加速させたあと、心拍数が120程度まで落ち着いたら、再び全力でダッシュ。これを10回繰り返す。
時短高負荷
【全力ダッシュ(5秒以内に時速20kmまで加速)】
時短高負荷
止まった状態から全力で走り、5秒以内で時速20kmまで一気にスピードを上げていく。脚の筋肉に乳酸が一気に溜まり速筋が鍛えられる。ゼロスピードからスタートするため、トレッドミルの手すりを持ってOK。
「ゼロの状態からたった5秒間で時速20kmまで一気に加速するというのは、想像以上に難しいんです。ちなみにウサイン・ボルトは、5秒の時点ですでに時速40km前後には達している、と言われていますけどね」。
全力ダッシュをすると筋肉に乳酸が一気に溜まって速筋が鍛えられ、筋肉の質を速筋型へ。そうすることで、筋出力をスピードに変換する能力が高められるため、加速力を鍛えられるというわけだ。
「このトレーニングをしばらく続けたことでD選手の加速力はあきらかに改善しました。最高速までもっていく時間を短縮できるようになったんです。そうなると、持ち前のテクニックをさらに活かせるし、ポゼッションサッカーを目指すチームに貢献できるようになったと実感してくれていますよ」。
Jリーガーも実践する今回の時短トレ、低酸素環境下で行ったほうが即効性は高いのだが、低酸素なぶん心肺には大きな負荷がかかる。そのため運動経験の少ない人や心肺機能に自信がない人は、まず屋外や普通のジムで行うか、バーピーのような高負荷トレーニングをして心肺機能を高めてから行うといい。
ちなみに、速筋を鍛えたいなら低負荷でなく高負荷のほうが効率的、というのは筋トレでも同様。数回やったら限界がくるような強烈な負荷をかけたほうが効率は良い。ただし、これは筋肥大を引き起こすため、いわゆる“細マッチョ”を目指すなら、低負荷で回数を増やすほうがおすすめだ。
「ジタンコウフカのススメ」
「忙しくて時間がない」「ジムトレもそろそろダレてきた」という男性諸君、ちょっぴりキツいけどサクッと終わるトレーニングはいかがだろう。キーワードは「ジタンコウフカ(時短高負荷)」。呪文のようだが、そこには科学の力を借りて効率よく体を変えるヒミツが隠れている。サッカーやラグビーの日本代表選手も通いつめる高地トレーニング施設のトレーナーに、理論と実践法を教わっていこう。上に戻る
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【取材協力】
ハイアルチ 吉祥寺スタジオ
住所:東京都武蔵野市吉祥寺東町1-17-18
電話番号:0422-22-7885
営業:10:00~22:00(平日)、10:00~19:00(土・日・祝)
http://high-alti.jp/
空間をまるごと低酸素状態にしたスタジオで行う「ハイアルチテュード(高地)トレーニング」を、気軽かつ、リーズナブルに体験できる日本初のハイアルチテュード専門スタジオ。専門トレーナー指導のもとでのトレーニングなので、安全に効率よく鍛えられる。都内では、吉祥寺のほかに、三軒茶屋、代々木上原にスタジオを構える。
 
楠田圭子=取材・文 渡邊明音=写真


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