2019.12.21
HEALTH

1分間の「低酸素バーピー」で階段ダッシュが楽になる!

「ジタンコウフカのススメ」とは・・・

時短で腹割や、たくましい胸や腕をつくることができると注目されているトレーニングメソッド「高地(低酸素)トレーニング」。それを実践できるスタジオ「ハイアルチ」のプロデューサー兼フィジカルコーチの新田幸一さんに、前回に引き続き“ジタンコウフカ”な筋トレメニューをレクチャーしてもらう。

今回のテーマは、知る人ぞ知る、究極にキツいトレーニングの代名詞「バーピー」。超高負荷で極限まで体を追い込むことで心肺機能が高められるのが最大のメリット。これで階段ダッシュでハアハアしてしまう情けなさともおさらばだ。

【教えてくれる人】新田幸一さん
新田幸一さん

高地トレーニングを街中で体験できるスタジオ「ハイアルチ」の開発者であり、プロデューサー。長年のトップアスリートたちへの指導経験を活かし、高地トレーニングの効果を最大限に引き上げるメニューを構築。現在は、浦和レッズの槙野智章選手をはじめとしたトップアスリートのほか、大学駅伝の選手たちのトレーナーも務めている。

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長くて辛いだけの有酸素運動はもう古い!

毎朝「電車に乗り遅れちまう!」と階段を全速力で駆け上がり、間一髪で乗車に成功したものの、車内でハアハアと荒い呼吸をしているのは格好悪い。

「これでも体力には結構自信があるし、定期的にジムトレして鍛えているのに、ちょっとダッシュをしただけでこのザマか……」。

そんな経験をしたことのある40代男性は少なくないだろう。原因はズバリ、心肺機能が低いことにある。心肺機能も筋肉と同じで、何の刺激も与えなければ衰えるばかりなのだ。

しかし、心肺機能は筋トレでは鍛えることはできない。そして、さらに問題なのは、世の中の大半の人は、「心肺機能はランニングのような有酸素運動で鍛えられる」と思っていることだ。ランニングブームはいまだ健在ではあるものの、走る→ツラい→時間がかかる→見せ場がない、という四重苦のせいで、ランニングに踏み出すことを躊躇している人も多いだろう。

そんな難題を解決してくれるのが、低酸素トレーニングだ。

「低酸素環境下に置かれると、酸素が足りないから体は酸欠状態に陥ります。それを脳が察知すると、慌てて赤血球を増やそうとするんです。赤血球って酸素を運ぶ役割を持つトラックのような存在なので、数が増えれば全身にどんどん酸素を巡らせることができて酸欠状態を改善できる。だから、脳はトラックの台数を増やそうと必死になるわけです。息切れは酸欠のサインなので、赤血球が全身に必要量の酸素を供給し続けられれば、ハアハアはしないんです」と新田さん。

ではなぜ、低酸素下なのに楽だと感じるのだろうか?

「空気が薄いと1回の呼吸で取り込める酸素の量が減る。すると当然、息苦しさを感じますよね。しかしその一方で、体内ではさまざまな適応反応が起こるんです。『空気が薄い』と察知すれば、その低酸素環境に順応しようとする。その適応反応を意図的に繰り返すことで、心肺機能をはじめとした身体機能が強化できる、という仕組みです。まさに時短高負荷ですよ」(新田)。

パルオキシメーター

ちなみに、低酸素トレーニング時には安全確保のため、赤血球中の酸素と結合しているヘモグロビンの割合を示す指標である「酸素飽和度」をパルオキシメーターで測定しながら行う。通常の酸素飽和度は97%以上だが、トレーニング中は80%程度まで下がることを知っておこう。万が一数値に異常がみられたらすぐにトレーニングを中止するなど、安全への配慮を忘れずに。

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1分間だけ、限界まで心肺を追い込もう!

一般的に、高強度トレーニングをしないと短期間で心肺機能を高めることは難しいと言われている。高強度として推奨されるのは、最大心拍数の80~90%の運動強度のトレーニングとされるが、じつはこのキツさって半端ではない。ところが低酸素環境下になると、最大心拍数の60~70%くらいの強度で同等の効果が得られるという。

「時短高負荷で心肺機能を鍛えるなら、おすすめは『バーピー』です。低酸素でなくても、あっという間に息が上がるトレーニングなので、見方を変えると、短時間で体内に酸素を目一杯取り込めるトレーニングと言える。酸素が体内に入ってくると、それを循環させる毛細血管量が増えて酸素供給量を高いレベルで維持できる体になり、心肺機能の強化につながるということです。ランニングのような有酸素運動だと時間がかかりますが、バーピーなら短時間でできます」(新田)。

それでは、バービーにチャレンジ。目標は1分間で45回。マックススピードで、できる限り回数をこなしてみよう。

①背すじを伸ばして直立(スタートポジション)

②勢いよくしゃがみ、手のひらは浮かせた状態で両手をつく

③ジャンプをするように勢いよく後方へ脚を伸ばす

①→②→③→②→①→②→③→②→①→②→③……という具合に、一連の動作をスピーディに繰り返す。

【ポイント】
バービーを効果的に行うポイントは「フォームを崩さないこと」。スピードを上げるとフォームが崩れてしまいがちだが、そこは我慢。むしろ、はじめはスピードを落として正しいフォームでやりきることを優先したい。慣れてきたら徐々にスピードアップを。

ちなみにこのメニュー、酸素を多く取り込む分、有酸素運動的な効果もあるので、体脂肪もよく燃える。痩せ効果も期待できる一石二鳥のトレーニングだ。

「ジタンコウフカのススメ」
「忙しくて時間がない」「ジムトレもそろそろダレてきた」という男性諸君、ちょっぴりキツいけどサクッと終わるトレーニングはいかがだろう。キーワードは「ジタンコウフカ(時短高負荷)」。呪文のようだが、そこには科学の力を借りて効率よく体を変えるヒミツが隠れている。サッカーやラグビーの日本代表選手も通いつめる高地トレーニング施設のトレーナーに、理論と実践法を教わっていこう。上に戻る

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【取材協力】
ハイアルチ 吉祥寺スタジオ
住所:東京都武蔵野市吉祥寺東町1-17-18
電話番号:0422-22-7885
営業:10:00~22:00(平日)、10:00~19:00(土・日・祝)
http://high-alti.jp/
空間をまるごと低酸素状態にしたスタジオで行う「ハイアルチテュード(高地)トレーニング」を、気軽かつ、リーズナブルに体験できる日本初のハイアルチテュード専門スタジオ。専門トレーナー指導のもとでのトレーニングなので、安全に効率よく鍛えられる。都内では、吉祥寺のほかに、三軒茶屋、代々木上原にスタジオを構える。

 
【Other Training Menu】
低酸素スクワット低酸素プッシュアップ低酸素シットアップ

楠田圭子=取材・文 渡邊明音=写真

# バーピー# ハイアルチ# 低酸素トレーニング# 心肺機能# 時短高負荷
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