連載「40オトコのための『失敗しない』プロテイン術」
筋トレのお供としてだけでなく、近年ではシェイプアップや健康維持に役立つサプリメントとしても注目される「プロテイン」。基礎知識から活用法まで、カッコよく生きたいミドル男性が心得ておくべき、プロテイン摂取のノウハウを伝授しよう。
男性の間では、古くから比較的メジャーなサプリメントの一種として知られる「プロテイン(プロテインパウダーに代表されるプロテイン製品の総称)」。とはいえ、実際にプロテインを摂取した経験がある人って、意外と少ないのではないだろうか。
その理由として、第一に考えられるのが「自分には無縁のもの」という認識が強いこと。30~40代男性の中には、プロテインはマッチョを目指す人たちが飲むものである、と思っている人が特に多いようだ。
しかし、それが大きな勘違いであることは言うまでもないこと。プロテインに対する正しい理解を広めるための活動をしている山本圭一氏(プロテイン工房・代表)によれば、そもそも「プロテインを飲めばマッチョになる」という考え方自体が、一種の都市伝説なのだという。
【今回のアドバイザー】山本圭一さんプロテインブレンダー(株式会社プロテイン工房代表)、鍛錬家。著書に『仕事ができる人はなぜ筋トレをするのか』(幻冬舎)、『ゼロからはじめるプロテイン生活』(メディアバル)ほか。現在は、プロテインへの正しい理解を広めるための活動に加え、「ソーシャルプロテイン」という考え方の普及にも努めている。
「プロテインを飲めば筋肉がつく」という都市伝説の真相は?
「最近ではパウダータイプ以外も多数登場していますが、一般的に『プロテイン』と呼ばれている製品の正体は、単なる“タンパク質加工食品”です。製品に含まれるタンパク質は本質的に、牛乳や大豆といった食材に含まれるタンパク質と変わりません。そう考えれば、プロテインを摂取するだけでマッチョになれる、という発想が正しくないことが、理解できるのではないでしょうか」(山本氏、以下同)。
言われてみればごもっとも。プロテインを摂取するだけでマッチョになれるなら、街中にムキムキの男性が溢れていてもおかしくないのだから。一方、シェイプアップ目的で筋トレやランニングのような運動を続けている男性の中には、運動さえしていればプロテインは不要と思っている人も少なからずいるようだが、山本氏によれば、それもありがちな誤解だという。
「筋肉を太く大きくしたいアスリートたちがプロテインを積極的に摂取するのは、それだけの運動をしているから。逆に言えば、運動をするだけでも筋肉を太く大きくすることができません。タンパク質と運動のバランスが整うことで、初めて筋力アップにつながるわけですね」。
もちろん、健康的な肉体を手に入れるためには、タンパク質以外の栄養素も不可欠。「1食分を置き換えるだけ」といったような謳い文句で、プロテイン・ダイエットなるメソッドが話題になったこともあったが、もちろんプロテインだけ摂れば良いということはないのだ。
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