スニーカー世代を刺激する「一足触発」 Vol.100
2021.08.22
FASHION

“3代目”となるナイキACGは、これまで以上に縦横無尽。その変遷とキーアイテム

数ある名作を生み出しながらも、我々の前から一度は姿を消したナイキACG

待望の復活から2021年の最新コレクションまで、彼らが辿った道のりは、アウトドアギアの進化の足跡である。

最新鋭のテクニカルギア・ブランドとして復活!

数年の活動休止期間を経て、2014年、 ナイキACGは正式名称を「ナイキラボ ACG」に変更し、新たなブランドロゴとともに復活を果たす。

こちらが新たなブランドロゴ。

リニューアルのデザイナーを務めたのはエロルソン・ヒュー。「バートン」「ストーン アイランド」などで実績を積み、2002年に自身のブランド「アクロニム」を立ち上げた人物だ。

スポーツユーティリティウェアとして生まれ変わったナイキACGのキービジュアル。

新生ナイキACGが披露したのは、これまでのブランドイメージを刷新するモノトーンで統一された都会的なテクニカルアパレルだった。

ブランド創立時からのコンセプト“オール・コンディションズ・ギア”を新しい形で表現したファーストコレクションは、行列ができるほどの盛況ぶりを見せた。

ナイキとエロルソン・ヒューとの蜜月は、2018年秋冬コレクションまで続く。

2014年に登場した「2 in 1メンズジャケット」には防水性の高いゴアテックス素材を採用。

2019年春夏コレクションから、後任のデザイナー、レベッカ・エイルマンにバトンが渡され、ナイキACGはまた変貌を遂げる。

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ハイブリッドに活躍する3代目ナイキACG

レベッカ・エイルマンが手掛けたナイキACG。

ナイキACGの第3世代ともいえる現在のコレクション。その特徴は’90年代からブランドが培ってきた魅力を活かし、幅広いフィールドで活躍するプロダクトへと進化を遂げたことにある。

少し噛み砕いて説明すると、旧ロゴをはじめとする初期のナイキACGのテイストと、高機能ウェアの技術を融合させたアパレルやシューズを生み出したのだ。これらは現在のアウトドアブームにもアジャストし、ブームを再燃させた。

90年代のナイキACGの色使いを彷彿させる。

今のアウトドア市場では、本格派だけでなくライトユーザーも急増。そうなると当然、ギアに求めるレベルは人それぞれなワケで、あらゆる環境へ対応できるナイキACGのプロダクトは時代のニーズにもマッチしたのだ。

90年代当時、斬新なコンセプトでスタートしたナイキACGに、やっと時代が追いついたともいえる。そんな彼らの“今”をプロダクトとともに紹介しよう。

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① 最新スペックと遊び心を兼備するシューズ

「ACG ズーム テラ ザヒーラ」のファーストモデル。

2019年にデビューした「ACG ズーム テラ ザヒーラ」は、現代のハイカーたちのために開発されたトレイルシューズ。現在のナイキACGの代表作のひとつだ。

パフォーマンスの基軸となるのは、特殊なソール構造にある。

ナイキ史上最も反発力に優れたフォーム「ナイキ リアクト」をミッドソールに採用するとともに、ヒールには軽量で高反発な「ズーム エア」ユニットを搭載。踵からつま先への滑らかな体重移動を実現した。加えてアウトソールのラグは、あらゆる路面での加速、減速をスムーズにしてくれる。

ほかにも随所に独自のテクノロジーを確認できる。アッパーに用いた半透明のリップストップ素材は水の浸入をブロックし、インナーのストレッチブーツは快適性を保ちながら足首を守る。ハトメやシューレースも、トレイルの邪魔にならないよう設計されている点は見事である。

当然ながらスペックだけが魅力ではない。アッパーに大胆に取り入れたロゴなどの“魅せるためのデザイン”は、もはやナイキACGの伝統といえる。

② 懐かしくも新しい。アップデートした復刻モデル

幅広いフィールドで履けるように進化したトレイルシューズ「ACG オクワン 2」。

一時代を築いた傑作シューズの“復刻”もナイキACGの魅力。

2012年に初登場した「ACG オクワン 2」を例に取ってみよう。

屋外用のロッククライミングシューズ「ACG オクワン」をベースにしたコチラ。トレイルランニング用のミッドソールや硬いラバーのアウトソールを搭載し、あらゆる路面に対応できる一足となっている。

誕生から約6年、2018年に発表された復刻モデルは、ベージュを中心にレトロな雰囲気の配色を採用し、アクセントにリフレクト素材を用いたり、履き口を少し高めにしたりするなど細かいパーツを見直している。

懐かしくも新しい傑作シューズは、往年のファンを納得させる仕上がりとなっている。

③ サステイナブルなアパレルにも注目!

2021年のサマーコレクションは自然に馴染む色使いが特徴的。新しいカラーを採用した「エア デシューツ」の姿も確認できる。

多くのアウトドアブランドと同様、ナイキACGでも現在、サステイナビリティを重視したプロダクトを製造している。その一環として、アパレルコレクションでは85~90%以上の割合でリサイクル素材を使用しているという。

とはいえ、そこばかりを追いかけると、ブランドが培ったアイデンティティが失われてしまうことは言わずもがな。だからこそデザインにも妥協はない。

2021年の最新コレクションでは、ハワイの自然環境を着想源にした水陸両用プロダクトを発表。

例えば100%リサイクル素材である軽量ナイロンを用いたジャケットやパンツは、撥水性と防風性を備えており機能性は抜群。しかもパッカブル仕様で持ち運びも便利だ。

アウトドアブランドらしく自然に敬意を表したアパレルは、週末のアクティビティはもちろん、タウンユースでも存分に活躍するだろう。

時代とともに進化を遂げ、アウトドアフィールドだけでなくストリートをも縦横無尽に駆け巡るナイキACG。限りないポテンシャルを秘めた彼らの動向に、今後も大いに期待しよう!

▶︎【前編】「90年代旋風を起こしたナイキACG。時代の先を行き過ぎた3つの名作シューズを解説!」から読み返す

戸叶庸之=編集・文 ナイキ=写真

# ナイキ# ナイキACG
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