「知ってホッとする冬服大全」とは…… 登山家、消防士、映画の撮影クルー……。
カナダグースはこれまで、過酷な状況に身を投じる男たちから常に頼られてきた。その信頼は誕生から60年以上が経過した今も揺るがない。その秘密とともに、今季の注目作を深堀りしよう。
「命を守る服」だから、常に機能ファースト
約60年前、トロントに誕生したカナダグース。主力商品のパーカ系アイテムはカナダ国内での一貫生産にこだわり、日々高品質のアイテムを生み出し続けている。
「モノ作りにおけるこだわりや想いは突き抜けています」と話すのは、エリアマネージャーを務める船越克久さんだ。
「カナダグースのモノ作りは常に機能ファースト。一着を作るのに大体13工程を要し、延べ60人ほどの人々が関与しています。そしてほとんどのアイテムに、仕事でカナダグースを着用する人々の意見が反映されています」。
そして「なにせ、着る人の命を守る服を作っていますから」と船越さんは続ける。
「例えば、映画の撮影クルー。カナダグースはトロント国際映画祭のオフィシャルスポンサーですが、プロモーション的な観点からすれば、映画の出演者に着てもらうのが普通ですよね。でも、カナダグースは撮影クルーに着てもらうことで、本当に有益な意見を得られると考えているんです」。
そんな本物志向だからこそ、プロフェッショナルからの支持も厚い。
「エベレストを登るような登山家や極地へ行くようなパイロットもカナダグースを着ています。犬ぞりの世界チャンピオンであるランス・マッキーもカナダグースの愛用者で、彼は『エクスペディション パーカ』を着用して4年連続王者に輝いています」。
カナダグースがプロフェッショナルたちの声と同じように重視しているのが“カスタマー”の声だ。同社のサービスセンターには日々多くの意見が寄せられ、リペアの依頼もひっきりなしにやってくる。
「日々届くリペア依頼のなかには、30年前のアイテムもあったようです(笑)。ただ、それがカナダグースにとっては誇りになるんですよ。『あ、この服はこんなに頑張ったんだな』って。それらから得た知見を、また次の商品づくりに活かしているんです」。
もちろん、フィードバックを活かすことだって簡単ではない。すべてはブランドの技術力あってこそである。
「本国のファクトリーでは、カナダ国内の高度な縫製専門学校で学んだ職人たちを迎え入れています。カナダグースは過酷な環境で着る人たちの命を守らなければならず、その使命感こそがブランドの『職人を育てる』『技術を落とさない』という意識にもつながっています。職人たちもそれをよく心得ているので、誇りを持って仕事しています」。
プロフェッショナルの経験、カスタマーセンターに届く声、そして職人の技術は、カナダグースをカナダグースたらしめる三本柱なのだ。
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