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2021.12.14

ファッション

暖冬でも絶対“買い”。インナーダウンの覇者「TAION」の最新作と人気の秘密

知ってホッとする冬服大全●知った気でいたけれど、実はそこまで知らなかった冬服のコト。そこで、各ブランドやショップへ取材を敢行。冬服知識の不足分を補うビタミン剤として活用してもらえたらこれ幸い。
もはや街でも家でも市民権を得たインナーダウン。今、数あるブランドでもっとも厚い信頼を得ているのが「タイオン」だ。
今年立ち上げから5年目を迎え、コレクションの幅はさらに充実。他に類を見ないインナーダウン専業ブランドの歴史と最新作について、今一度整理!

計5ライン展開。世界へ羽ばたくタイオンの歴史

2016年、秋冬シーズンに登場したタイオン。インナーダウン専業ブランドを謳い、異色の存在として届けられた新進気鋭は、静かに、しかし確実に感度の高い大人たちの心に響いていく。
最初に打ち出したモデルはVネックダウンベストとハイネックダウンベストの2型のみ。それでも、おおよそ4万枚の売り上げを記録したのだから恐れ入る。ただ、そのスタートは「予想外だった」とセールス&PRの木村貴之さんは言う。
タイオンでセールス&PRを担う木村貴之さん。
「母体となっているのは、布帛、ダウンに強みを持つ愛知のファクトリーです。これまでにもさまざまなブランド、ショップのアイテムを手掛けてきた実績がありますから、ものづくりに関して自信はありました。ただ、広く受け入れられるかは正直わからない部分もありましたね」。
そして迎えた2年目は、ロングスリーブ型やキッズラインを製作。3年目には国内のみならず、なんとヨーロッパやアメリカ、中国、韓国などからオーダーが届き、認知は徐々に世界へ広がっていった。
左●「ダウン×ボア リバーシブルジャケット」1万2980円、右●「ダウン×ボア リバーシブルフーディー」1万4850円/ともにタイオン 052-684-5182
そして、木村さんが「ターニングポイントだった」と語る2019年秋冬シーズン。これまでの定番モデルを“ベーシックライン”と位置づけ、さらに“シティライン”と“マウンテンライン”を発表。フランスの人気セレクトショップ、メルシーでの展開と限定アイテムの製作も決定し、さらに知名度を高めていった。
「そのあたりからバイヤーさんの目線も変わったように思います。展示会にいらっしゃる方の多くは、メルシーに置かれている日本のブランドということで注目されたみたいですね。以前から一定のセレクトショップさんへは置かせてもらっていましたが、ここから一気に注目度が高まった気がします」。

同シーズンに発表したハイエンドラインにあたるエクストラダウンもその勢いを後押しした。
そして2021年には、春夏のシーズンアイテムも初めて製作。新たに“ミリタリーライン”も仲間入りを果たし、合計5つのシリーズを展開するなど、進化の手を止めない。あえて路面店は設けていないため、「欲しいけどなかなか手に入らない」という状況も人気に拍車をかけている。


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