「ザ・ベストダウン 2020」とは……「ダウンジャケットの活躍どころは、冬のキャンプや釣り」との持論を持つのはロンハーマンのPR担当、福本宏二さん。
そんな彼でも「これなら街着としてのダウンとしてオススメ!」と言う3着を紹介しよう。
まずはシティダウンの先駆けから!
アウトドアマン専用に近かったアウターに、モードの風を招き入れたのは、このブランドが先駆けかもしれない。そう、モンクレールである。
機能が絶対的正義の分野において、ファッション性に重きを置いたアプローチは、確実に我々とダウンの距離を縮めた。その威光は今も陰ることがないことを、この一着から大いに感じ取れる。
「サラッと羽織るだけでキマッてしまう。それはもうラグジュアリーダウンの先駆者であるモンクレールの面目躍如といったところでしょう。シンプルにまとめるほど、それは際立ちますね」。
全身を黒で包んだ出で立ちは実に簡潔で潔いが、それゆえにモンクレールならではの美しいパターンワークや品のあるマットな質感が目を引く。とはいえ、その本当の凄さはハードとソフトの両面にこだわり抜く姿勢にある。
「言っても、もともとテントやシュラフなど、登山家のためのギアを製造するメーカーとして創業しました。モンクレールのダウンは工場労働者たちの防寒用に作った、手足を出せるシュラフが原型と言われていますから、機能面においても抜かりはありませんよ」。
その意志を脈々と受け継ぐこの“キヴェルビル”。中にはホワイトグースの産毛だけを厳選したダウンをしっかり充填。フランスダウンフェザー協会が最高品質であること認めた証しとして送る“キャトルフロコン”のマークからも、クオリティは明らかだ。
ストレッチナイロンは豊富なダウン量を支える受け皿となり、タイトフィットながら動きの自由もしっかり確保。「移動や着脱のしやすさを考えてもショートレングスは賢い選択といえますね」。
街とアウトドアフィールドをリアルに往来する男にとって、何から何まで計算づくなこの一着は大いに価値がある様子だ。
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