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2020.07.12

ファッション

渡辺真史さんの理想の部屋着は、ビッとした不良のようなセットアップだった

メキシコ系アメリカ人のギャングたちを描いた映画『ブラッド・イン ブラッド・アウト』。観たのは1993年頃、大学生のときですね。
「LAにはこんな不良連中がいるのか!」と、かなりの衝撃を受けました。映画はもちろんフィクションですし、劇中の舞台は’70年代のイーストLAで、リアルタイムとはかなりズレがあったはず。でも何せインターネットのない時代です。ものすごくリアルに感じたんですよ。
『ブラッド・イン ブラッド・アウト』1993年公開のアメリカ映画。イーストLAのメキシコ系アメリカ人居住区を舞台に、3人の若者の青春を描いた作品。
『ブラッド・イン ブラッド・アウト』1993年公開のアメリカ映画。イーストLAのメキシコ系アメリカ人居住区を舞台に、3人の若者の青春を描いた作品。タイトルはメキシカン・マフィアの掟「血により入り血により出る」に由来する。監督はテイラー・ハックフォード。 © Everett Collection/AFLO
実社会においても、LAでは’80年代の終わり頃から人種間の対立がくすぶっていて、大規模な暴動も起きました。僕の世代の人たちは記憶してるんじゃないかな。そんな時代背景のせいか、当時はマイノリティたちを描いた映画作品が多かったような気がします。
いずれにしても『ブラッド〜』は当時、アジアの片隅にいた僕のような若者たちの間でも「すげえ映画がある」と話題でした。ただ、決して万人に受けるような映画じゃなかった。
僕を含めてストリートカルチャーのなかで生きているような連中の間で、カルト的な人気があったんです。(2020年現在、日本語版のオンラインストリーミングがないと聞いて)ああ、やっぱりある種のカルトな映画だったんですよ(笑)。いずれにしても不良の要素を持つ“そういう界隈の”やつらに支持されたってことは、『ブラッド〜』には“そういう界隈の”リアリティがあったのでしょう。


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