OCEANS

SHARE

© Everett Collection/AFLO
ステイホーム、ステイセーフと言われてもう2カ月(2020年5月時点)が経ちました。その間、僕らは家、すなわち安全な場所にずっと身を置いているわけです。すると不思議なことに、映画は危険なやつが観たくなるんですよ。『ブラッド〜』みたいなギャング映画とか、任侠映画とか、ドキドキハラハラするような。これってどういう心理なのでしょうか。
おそらく僕らは普段、外に出て、人に会って、いろんな刺激をもらっているんだと思います。それが、家で落ち着いて過ごすことが多くなると、刺激がなくなる。そこで映画や音楽に刺激的なものを求めてしまうのではないでしょうか。
家で過ごす時間が多くなれば、部屋着に気を配るというのは自然な流れです。僕はワークウェア、それもセットアップがいいんじゃないかと思い、こちらを作りました。
ワークウェアというと硬めの生地が思い浮かぶが、こちらはソフトな生地で製作。ルームウェアとして、またワンマイルウェアとしてもご活用を。
ワークウェアというと硬めの生地が思い浮かぶが、こちらはソフトな生地で製作。ルームウェアとして、またワンマイルウェアとしてもご活用を。シャツ2万8000円、パンツ3万3000円/ともにベドウィン & ザ ハートブレイカーズ(ザ・ハートブレイカーズ 03-6447-0361)
上は開襟のワークシャツ、下はオーソドックスなワークパンツ。どちらも生地と同系色のストライプが入っています。ゆとりのあるシルエットでリラックスできる。でも適度にきちんとしているから、近所のスーパーやコンビニに出かけるのにもいい。
僕の中で「ワークウェアの着こなし」というと、やはりカリフォルニアの、メキシカンたちのスタイルなんです。決して高価ではないワークウェアなんだけど、きれいに、ピシッと着こなす。ディッキーズのワークパンツにきちんとアイロンをかける。髪もきっちり剃り上げる。あるいはオールバックでキメる。彼らの着るワークウェアは、シャープな感じがするんですよね。
家にいるからといって、だらしない格好でいいというわけじゃない。『ブラッド〜』に出てくるギャングたちのようなビッとした感じというか、ある種の緊張感があっていいと思うんです。このセットアップを着るときには、家の中でもぜひオールバックで(笑)。
DVDやビデオの入手は難しいかもしれませんが、もし入手できたら『ブラッド〜』はぜひ観てほしいですね。特にオーシャンズ世代の人たちに。今現在有名になっている俳優も何人か出ていますし、ストーリーも十分楽しめると思います。
そしてメキシコ系アメリカ人たちの、コミュニティの絆、近隣に住む者同士の絆を大事にするカルチャーがきちんと描かれています。こんな時代に、絆を尊ぶ彼らの姿を改めて見ると、何か考えさせられるものがありますね。
渡辺真史●1971年、東京都生まれ。モデル、アパレルブランド勤務を経て、2004年に自身のブランド、ベドウィン & ザ ハートブレイカーズを設立。趣味は長く道場に通って練習を続けている柔道、キックボクシング、拳闘。2児の父。
 
鈴木泰之=写真 加瀬友重=文


SHARE

次の記事を読み込んでいます。