“自分らしく”いられる服を着る。大人カジュアルを楽しむ11人のリアル
年を重ねれば重ねるほど、自分の好みは明確になるし、洋服との付き合い方=流儀も確立されてくる。だから過剰な背伸びも、無理も我慢も必要ない。
等身大で好きなものを好きなように着る。そんなライフスタイルを実践する、リアルな大人カジュアルで人気のブランドと、その愛用者たちを取材してきた。
ブランド「BEDWIN & THE HEARTBREAKERS(ベドウィン & ザ ハートブレイカーズ)」
遊牧民族の名を由来にしたブランド名を掲げて2004年に設立。以来、世界中のストリートカルチャーを自分たちの視点で再構築したコレクションを発表し続ける。老舗ブランドとのコラボも多数展開。
“らしく”いられる服が自分のなかで腑に落ちる

株式会社TRUNK 代表取締役社長 野尻佳孝さん Age 47
国内外を常に行き来している野尻さん。「オンもオフも気取らず崩しすぎない、そんな塩梅が好きです。ベドウィンは、それを体現してる服」。セルビッジ付きオックスフォードのシャツとストレッチパンツは、本人愛用の日常着だ。
着こなしを限定しない自由な服と付き合いたい

英国法弁護士 マックス・マッキーさん Age 42
弁護士、起業家、DJ……。さまざまな顔を持つマックスさんは、「シリアスな場以外でスーツはほぼ着ない」。そんな彼もストレッチの利いた伊レッジアーニ社の生地を使ったセットアップには、よく袖を通す。程良いオーバーサイズも好みだ。
ブランド「MADISONBLUE(マディソンブルー)」
2014年にブランドスタート。少しずつ展開していたメンズラインも昨年より本格始動を果たした。上品な素材やモチーフにとらわれないデザインは、都会的でいて快適。性別を問わず支持率が高い。
袖を通したいのは常に心地良くいられるもの

ペインティング アーティスト 新倉孝雄さん Age 47
「本当に着心地の良いものを、そのときの気分で着る」と言う新倉さんが羽織っているのは、一つ一つ職人の手作業で縫製された接結ウールのジャケット。形はミリタリー由来のM-65でも、どこか品がある。ゆったりとしたデニムとも相性がいい。
自然体でいられる素材感は結構大切

スタイリスト 梶 雄太さん Age 45
フラップポケットに特徴のある朱子織りのシャツは、後染めのリネンで仕立てられたもの。表情は違うものの、ワンタックパンツもリネン100%。「自然体でいられる服が好きだから、夏は涼しいほうがいい」。モノトーンにキャップのブルーが利いている。
ブランド「ATON(エイトン)」
性別を問わず“リアル・スタンダード”を提案。2016年秋冬シーズンにデビューし、以後、生産からデザインまで一貫したコレクションを発表。天然染料にこだわったシリーズにも定評がある。
デイリーに着る服には究極のシンプルさを求めます

料理人 林 高太郎さん Age 43
「服はシンプルなものが好きなので、エイトンは理想そのもの」と語る林さんは、創作和食店「高太郎」の代表。羊革をなめしてサンドペーパーで裏面を起毛させたスエードシャツを、ウールのパンツとシックに合わせている。
“ベーシックで失敗しない”服を着るのが信条

株式会社スウェル 代表取締役 長崎勇平さん Age 44
アパレルショップやウェディングサロン、コスメ等の売り場をディレクションするVMDとして、多忙を極める長崎さん。エイトンのスビンコットンのTシャツやカーディガン、バックサテンのパンツは、「ベーシックで失敗しない服」。
ブランド「SOPHNET.(ソフネット)」
1998年に洗練された日常着をテーマに、「ソフ」を設立。2002年に「ソフネット」とブランド名を変更してからも、都市生活に溶け込むミニマルなデザインを追求し続けている。
汎用性は高くて便利なのにヒネリがあるのが楽しい

コロニーインタラクティブ株式会社 CEO 田上知之さん Age 47
「シーンを選ばず着られるセットアップをよく着る」と言う田上さんがソフネットを選ぶ理由は、「ベーシックなのにヒネリがあるから」。ピンヘッドやグレンチェックなど、異なる柄で切り替えたジャケットは確かにユニークだ。
田邊 剛、山本雄生=写真 梶 雄太=スタイリング 長谷川茂雄=編集・文