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2020.03.09

ファッション

流れは厚底から“薄ペタ”へ。今試したいバレンシアガのスニーカー

ファッションとは、移ろうもの。そのあり様は、寄せては返す波のごとし。
見るからにソールが薄くペタンコ、言ってみれば“薄ペタ”なスニーカーだが、これをリリースしたのが、いわゆるダッドスニーカーの先駆け「トリプル S」で世を牽引したバレンシアガなのだから、冒頭の思いは禁じ得ない。
薄ペタスニーカー「ゼン」/バレンシアガ
ノンレザーのアッパーは、マットもしくはパテント仕上げ。カラーコンビネーションはこのほか、グレー、レッド×ブラックを加えた全5色でラインナップ。ロゴが記されたU字形のシュータンの上部のみシューレースを備えて、シャープなシルエットをいっそう強調するデザインに。[左]6万1000円、[右・中]各5万9000円[すべて予価]/バレンシアガ ジャパン 0570-000-601
実際、この年初に催されたパリのファッションウイークにおいて、この“薄ペタ”が、複数登場したのを編集部取材班は確認している。つまりは、花盛りとなると予想される2020AWより一歩早い’20SSにおいて、バレンシアガは嚆矢を放ってきたというわけだ。その名も「ゼン」。
デザインについては、マーシャルアーツやフットボールシューズに着想を得たというシャープな顔立ちで、キルテッド素材のアッパーによる流麗なシェイプはさすがだ。ブランドとしてもしっかりと「厚みを増すソールとアスレチック・テックからの脱却」と謳い、カウンターであることを高らかに宣言している。
これは想像だが、「禅」にも通じるその名前から、雑念を削ぎ落としたようなミニマリズムを体現しているかのよう。いち早く、この「移ろい」に身をまかせるならば、試してみたい一足となることは間違いない。
 
清水健吾=写真 来田拓也=スタイリング 髙村将司=文


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