黒ズミが気になるスエード靴、プロの技を覚えればココまで綺麗に!
連載「愛する靴の愛し方」
お気に入りを履き潰しては買い替えて……なんてもったいない! 愛する一足を守る術をフットウェア・ラバーたちに教えてもらった。
コードバン、スエード、パテントレザーなど、革靴といえど素材は多種多様。
前回紹介したようなブラッシングをして磨いて……といった、王道のメンテナンス方法がすべてに適しているわけではない。
そこで、日本各地で靴磨きのテクニックを教えている靴育て研究家・明石 優さんに、素材ごとに異なる革靴のケア方法を伺った。まずは、梅雨時期にオススメのスエード素材について。
丈夫だけど汚れやすいスエードは、汚れ予防がキモ
「スエードは革靴の中でも、比較的雨に強い素材。よくアウトドアブランドのブーツや手袋にもスエードが使われていますよね。革靴の場合も同様に丈夫で、濡れたり乾燥したりしても、割れにくく破れにくい。そのためケアも簡単ですよ」。
ただし、起毛があるスエードは汚れが蓄積しやすいというデメリットも。毛足が長いため中まで汚れが入り込んでしまい、キレイになりにくい場合があるそう。つまり、小まめな汚れ対策がモノをいう。用意するものは次の通りだ。
<用意するもの>・リン青銅のワイヤーブラシ
・紙ヤスリ
・馬毛のブラシ
・防水スプレー
クリームはNG! 金属ブラシで汚れを削り落とす
「スエードは汚れてしまった起毛部分をブラシやヤスリで削り、キレイな面を表に出すイメージです。ちょっとしたブラッシングだけでも、起毛が寝てしまいツヤツヤしている部分やスレ汚れを隠すことができます」。
まずは、毛足が長く弾力のある馬毛でブラッシング。隙間に入り込んだホコリなどを掻き出していく。
「次に、リン青銅のワイヤーブラシで、表面の汚れを削り落とすようにブラッシング。手首のスナップを使って、毛を起こしてあげるイメージで。これだけで、簡単な汚れは目立ちにくくなります」。
しぶとい汚れにはヤスリがけを
リン青銅のワイヤーブラシで落ちなかった汚れは、紙ヤスリで削り落としていく。明石さんは、素材によって180〜400番手の間で使い分けているそう。
「セルフケアの場合は、280番手前後のヤスリが使いやすいと思います。ちなみに今使っているのは240番手」。
ヤスリをかけた部分にブラシをかけて、毛の流れを整える。
一般的な革靴にはNGな防水スプレーだが、スエードにはマスト!
「最後に、防水スプレーをかけます。靴から15cm程度離して、色が変わるくらいまんべんなく。エッジは濡れやすいので、重点的にかけてくださいね」。
防水スプレーは、スエード用の色付きタイプもオススメ。ヤスリをかけると白くなることがあるので、気になった場合はスプレーで補色をするのもありだという。
2/2