冬の“主役”だからこそ、その選択に妥協はできない。だからファッションに関わるプロに聞いてみた、今本当に選ばれている、ダウンジャケットとコートのこと。どんなモデルが使えるのか、どう着れば良いか? 彼らの口から出た言葉は僕らの明日への金言だ。
「モンクレール」のダウンアウター &「ソフネット」のコート
ファーストオーダー クリエイティブディレクター
岡田考功さん Age 39
初回入荷分は即完売という、噂のダウンアウターを颯爽と着こなすクリエイティブディレクターの岡田さん。
「仕事柄、撮影などで外出することが多いから、冬場は防寒性の高いアウターが欠かせません。これは高級感があるのに、ストリートな佇まいが気に入っています。主張の強いバックプリントもあるし、コーチジャケットに近い感覚で羽織りたかったからワンサイズ上を選びました」。
片やシャープなラインが際立つコートは、よそ行きコーデの必需品。「普段からシャツはほとんど着なくて、着たとしても用が済んだらすぐに着替えます(笑)。とはいえ、襟付きの服で出かけないといけないシーンもあるので、そのときがこのコートの出番。リバーシブルですが、黒が好きだから、主にこの面を表にしてます」。コーデの仕上げに、プレミアムなスニーカーを合わせるのがマイブームだそうだ。
「モンベル」のダウンジャケット&コート
モンベル 広報部
安田翔平さん Age 36
バックカントリースキーが趣味で、3年前に印刷会社からモンベルに転身したという安田さん。根っからのアウトドア人だけあって、ダウン選びにおける審美眼は本物だ。
「多くのダウンを所有していますが、用途やシーンによって使い分けています。街で着るなら、ショップでも売れ筋のこちらを。コンパクトながら保温性に優れた800フィルパワーなので、寒い冬でも1枚で十分暖かいです」。そんな安田さんの着こなしはとことんカジュアル。ただ、濃紺デニムを合わせることで、清潔感もキープしていることに注目したい。
対してコートは、取り外し可能なインナーダウンを備える3-WAY仕様だ。「幅広いシーズンに対応できるデザインなので、1着持っているとかなり重宝します。合わせるものを選ばず、シャツ×チノパンでもシティアウトドア・スタイルが存分に楽しめるんです」。
「ハイク×ザ・ノース・フェイス」のダウンジャケット
&「コパノ86」のコート
コンティニュエ プレス
根本茂行さん Age 36
注目度の高いハイク×ザ・ノース・フェイスのダウンジャケットは、味のある薄茶色が大人らしい。根本さんは、偶然見つけたという古着のセットアップに羽織ることで、上品さの際立つ装いに。
「ずっと黒が好きだったんですが、年を重ねると許容範囲が広がり、渋いブラウンもいいなと思えるようになりました」。
また、今季購入したコパノ86のコートも微妙な色合いが特徴で、アームと身頃がかなり太め。フロントを閉めれば丸みのあるユニークなシルエットを楽しめる。黒いスリッポンタイプのスニーカーはレザーアッパーが革靴ライク。
「高校時代も制服にスリッポンで通学してました(笑)。神奈川の横須賀育ちなので、ストリートテイストに親しみがあるのかも」と根本さん。パンツはスポーティな細身のトラックパンツ。さすがは上級者、メリハリの付け方も心得ている。
「RHC」のダウンジャケット&コート
RHC ロンハーマン豊洲店 ストアマネージャー
高橋邦彦さん Age 40
「ダウンジャケットはこれまでアウトドア系が人気でしたが、今冬はこんなスタイリッシュなものも好評です。ミリタリー風のシャツを合わせると、男っぽくまとまりますよ」と高橋さん。
これにゆったりとしたワイドパンツを合わせ、余裕のあるシルエットを作ればいっそう今っぽい雰囲気に。
「コートに関しては、大きなサイズ感のチェスターやステンカラーが旬なのかもしれないけど、定番アイテムの人気も根強いです。このダッフルなんかは、飽きのこないジャストサイズが魅力」。
基本的にはカジュアルなアイテムを合わせつつ、同時に“クラス感も欲しい”と語る高橋さん。「例えばデニムをはきたいときは、ジョン エリオットのダメージデニムがオススメ。洗練された雰囲気なので、程よい品の良さを漂わすことが可能です。スニーカーとの相性も抜群で、こなれ感を演出できますよ」。
恩田拓治、鳥居健次郎、比嘉研一郎、小林孝至、中野 理=写真 今野 壘、戸叶庸之=取材・文