哲学者の九鬼周造は、名著『「いき」の構造』の中で、鼠色と茶色と青系統の色を“粋な色”だといい、強い色からしだいに色褪せていく中にこそ美しさがあると語った。
もしかしたら日本人のDNAには、そんな美意識が宿っているのかもしれない。しかもそれらの色は、なぜだか晩夏にこそマッチするのだ。色褪せ具合が夏の余韻を思わせる、そんな“今”なラインナップがコチラ。
「ベイフロー」のニット
着こなしの主役にも名脇役にもなるコットンニットは、何枚持っていても困らない。ウォッシュをかけて風合い良く仕上げたリブ編みってのも表情があってよろしい。
「ロンハーマン」のシャツ
ウォッシュをかけたコットンコーデュロイは、表面が微妙に起毛して肌触りがいい。白みがかったマスタードとオープンカラーの表情が絶妙な、今すぐ着たいやつ。
「エイチ.ユニット ストア レーベル」のブルゾン
軽めのウォッシュ加工で風合い良く仕上げたボアブルゾン。ドルマンスリーブでビッグシルエットながら、実際に着るとルーズに見えない。
「グッドオン」のパーカ
米国産コットン素材でメイド・イン・USAを貫くカットソーブランドから。こちらはヘビーウェイトのコットンジャージーを後染めして、渋いブリックカラーに。
「A.P.C.」のスニーカー
発売と同時に大反響を呼んだ厚底の第2弾。アウトドアギアワークブーツなどに見られるマルチカラーのシューレースと、フェードカラーの組み合わせが渋い。
「フランク&アイリーン」のシャツ
ピンクは軽くて薄いコットンボイル、ネイビーはライトポプリン。ともに100年以上続くイタリアの生地メーカーの素材を使用。
「レターズ」のショーツ
サーフショーツをベースに、色や畝の太さが異なるコーデュロイ素材をクレイジーパターンで採用。はき込むほどに味わいが増すから、今から育てて来夏に備える?
清水健吾、鈴木泰之、蜂谷哲実(hachiya studio)=写真 松田有記、星 光彦、伊藤良輔、稲田一生=スタイリング