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クールビズ、解らず崩してダサくならないための“スーツスタイル基本のキ”

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「働く服改革」 Vol.4
働き方改革はもちろん大事。でも、そのためには「働く服改革」 も同じくらい大事。だってこれからの季節、 日本のビジネスマンを取り巻く環境は過酷だから。

照りつける太陽 にまとわりつく湿気。敵は競合企業だけではない。見た目もパフォーマンスも“いつも以上”を発揮できる仕事着とは何か? オーシャンズ的、本当にクールなクールビズを考える。

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ビジネススタイルはカジュアル化の一途を辿っているけど、何事も“崩す”にはまず、基本を知っていることが大前提。

ということでスーツの基本を改めておさらいすべく、ドレスウェアのセレクトショップ「麻布テーラー」でアレコレ聞いてきた。

スーツの基本を教えてくれたのは
麻布テーラー プレス 篠塚祐輝さん

日本のビジネススタイルから世界のメンズドレスのトレンドまで、くまなくウォッチする「麻布テーラー」のプレス担当。ビジネススタイルの着こなしアドバイスやオーダースーツについて、丁寧に説明してくれるグッドスマイルな31歳。


Q1:お気に入りは毎日登板させたい! ダメ?
A:長い付き合いをしたいのなら、ダメ!

「空気中の湿度や汗を吸うことで、スーツの生地は伸びてしまいます。その伸びた状態のまま着続けると型崩れやテカリの原因となり、早くダメになってしまう。ローテーションによって中2日は空けて着ることで、吸収した水分が抜ける時間を作ることができるんですね。なので一度着たら中2日空けるとスーツの寿命も延びます。だから、毎日スーツ出勤の方は最低3着は用意して頂きたいですね」。


Q2:ローテーションを組む3着、どんなのがいい?
A:ネイビー、グレー、控えめチェックの3着で。

控えめなチェック(左)、ミディアムグレー(中)、ネイビー(右)。

「スーツの王道はネイビーの無地。ビジネスではもちろんフォーマルなシーンにおいても着られます。次に安定感があるのはグレー。なかでも貫禄の出るミディアムグレーはオススメです。3着目には変化球でさりげないチェックを。柄物ですが、ベースをグレーかネイビーにすれば問題なし。この3着でローテーションを組めば、毎日違った印象が出せますし、ビジネスシーンで困ることはないと思います」。


Q3:体型によって似合うジャケットってあるんですか?
A:2ボタンと3ボタンで見え方が変わりますよ。

左が2ボタン、右が3ボタン段返り。

Vゾーンが広くなる2ボタン仕様は、細身に仕立てられたスーツとのバランスが良く、キレイなシルエットになります。一方段返りの3ボタンだとVゾーンが狭まり貫禄のある雰囲気になります。体格が良い人がスマートに見せたいなら2ボタン、華奢だけどかっちりと見せたい人は段返りの3ボタンが良いかと思いますよ」。


Q4:正しいスラックスのサイズはウエストで測ればいい?
A:ヒップで測るのが正解です。

この日の篠塚さんは、ダブル、ハーフクッション、緩いテーパードシルエット。

「スラックスの最適なフィットは、ウエストではなく、いちばんボリュームのあるヒップを基準にするといいですよ。ヒップがしっくりくるものを選ぶと脚線がキレイに見えるはずです。無理して小さなウエストを選んでも、食事中にベルトを外すわけにもいかないですしね(笑)。丈は、裾がダブルならハーフクッション、シングルならワンクッションが基本。ダブルとシングルはどちらでも問題ありませんが、よりフォーマルさを求めるならシングルが基本です」。


Q5:ジャケットとシャツの袖。正しい見え具合ってあるの?
A:「シャツの袖が1cm程度出ていること」

ジャケットからチラりとシャツの袖が顔を出す。

「腕を下ろした状態で、親指の先から12cm程度上にスーツの袖先がくるのが基準。シャツは、そこから1cmほど顔を出すぐらいがベストとされています。袖先は意外と見られている場所なので気を使うべき。このバランスは普遍的な基準として覚えておいて良いと思いますよ。ちなみに、シャツ袖がまったく見えない!なんてのは言語道断です」。


Q6:ジャケットのサイズは肩や袖丈さえあってれば問題ない?
A:NO! 着丈にも気を使ってくださいね。

ジャケットの裾でお尻がすっぽり隠れる。

「ジャケットでよく言われる、肩の収まりや袖からシャツが少し覗くサイジング。しかし、そこだけ合っていてもNGです。かつてコンパクトなスーツがトレンドだったときは、お尻が出るほど着丈が短くタイトシルエットのジャケットを着ていた人もいるかもしれません。しかし本来は、お尻が隠れる着丈が基本。着丈がツンツルテンでは格好がつきませんよ。ただ、ジャケパンスタイルや休日用にジャケット単体で選ぶときは、スーツのときよりも若干短めの着丈にすると、バランスがとれます」。


Q7:ジャケットのラペルの幅に正解はある?
A:「8〜9cm幅が標準」

標準的な8.5cm幅のラペル。

「ラペルの幅は非常に大事です。まず、ラペルの幅は、下襟の先端からVゾーンのラインに垂直に測ります。標準は8〜9cm。それ以上はワイドラペル、以下はナローラペルとなります。クラシックならワイド、モードならナローと、目指すスーツスタイルを表す象徴的なディテール。ラペルはいわばスーツにおける顔のようなもの。ビジネスにおいては、8〜9cm幅を選べば間違いないですよ」。


Q8:英、米、伊。スーツの出身によって選びも変わる?
A:もちろん! でも、それだけじゃありません。

「細身のウエストシェイプや柔らかな仕立てなど、立体的でエレガントなシルエットが魅力のイタリアンスーツ。一方アメリカ産は、どんな体型にも合うボックスシルエットが特徴です。そしてスーツの基本となる英国のクラシックは、肩と胸周りをかっちり見せる構築的な作りが特徴。華奢な日本人の体にはイタリアのフィッティングが合うと言われていますが、最近は多くのブランドからアジアンフィットも出ているので、自分の体型と好みに合ったものを選ぶといいでしょう」。


Q9:大切なのは清潔感。着るたびにクリーニングに出してもいい?
A:クリーニングは半年に1度と心得て!

「意外に思うかもしれませんが、クリーニングは半年に1回程度がオススメです。なぜなら、クリーニング店のほとんどがドライクリーニングをするので、実はそのたびに繊維が本来保つべき油分まで抜けてしまい、柔軟性が損なわれて生地が硬くなってしまうんです。そうすると破れや、肘やお尻など擦れる部分の“テカテカ”の原因になります。しかも、ドライクリニングでは汗などの水溶性の汚れは落ちにくいと言われています。むしろ、細かなチリやホコリを落とすブラッシング、臭いが気になったら除菌スプレーをかけて、週に1度は風通しの良い場所で陰干しなど、日々のメンテナンスが重要です」。


Q10:シャツの襟、種類がたくさんありすぎて選べない……
A:迷ったら「セミワイド」で!

麻布テーラーで扱う襟型の例。

「麻布テーラーのオーダーシャツでは襟型だけで46種類。レギュラー、カッタウェイ、ホリゾンタル、ボタンダウン、ラウンド……選択肢は本当に多いです。選べなくなるのも無理はないですね(笑)。でも、汎用性という意味ならセミワイドが良いかと思います。レギュラーよりも若干タイスペースが広く、ジャケットとのバランスが取りやすい。そのうえフォーマルにも見えますからシーンも問いません。迷ったらセミワイド。これでミスマッチな着こなしにもならず、安心です」。


Q11:使えるタイってどんなの?
A:断然ネイビーベース!

左から無地、ストライプ、小紋のタイ。

「例えばQ2で紹介した3種のスーツ。いずれもネイビーのタイはハマります。バリエーションを揃えるなら無地、ストライプ、小紋柄やドットを用意するといいでしょう。たとえ柄が派手でも、不思議と馴染むはずです。ちなみにタイの幅は8〜9cm、スーツのラペル幅に合わせることが基本となります」。


Q12:革靴の種類って好みでOKなの?
A:「内羽根、キャップトゥの黒ならオールOK」

内羽根、キャップトゥ(ストレートチップともいう)の黒の革靴。

「ビジネスからフォーマルまで、あらゆるシーンに対応する革靴といえば、“内羽根のキャップトゥの黒”一択です。その次に選ぶならダブルモンク。よく見るウイングチップは、一般的なビジネスシーンでは許容範囲ですが、そもそもはカントリーシューズに分類されるので、フォーマルな場では好ましくありません」。


Q13:クールビズといえばポロシャツ! って何でもいいの?
A:「ビジネスで着るなら“台襟付き”を」

台襟付きのポロシャツ。

「クールビズにより夏はポロシャツOKな会社も多いと思います。しかし、ビジネス視点で考えるなら、同じポロシャツでも首回りから少し立ち上がりの部分がある“台襟付き”のほうが断然スマートです。台襟があることでタイもしやすく、ノータイでも襟が立つのでフォーマルな印象になります」。


時代や立場の変化に即してスーツの基本スタイルも変化する。でも、スーツには絶対のルールも存在すると篠塚さんはいう。「それは“引き算の美学”です。元々ユニフォームに端を発するスーツでは、過度な主張は好ましくないんです。これも基本ですね」。

クールビズで崩したビジネススタイルをするにしても、控えめに、嫌みなく。それを心がけると、本当にクールなビジネススタイルに一歩、近づくというワケだ。


安岡将文=取材・文
麻布テーラー=取材協力

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