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2018.04.01

ファッション

この春の注目カラー「カーキ」って、本当は何色?

カーキ。日本語にして土埃色は、僕らにとってはミリタリー服としてお馴染みの存在。そして、その境界が曖昧な中間色だ。すなわち、この言葉が指し示す色域は非常に広く、右の極にオリーブグリーンを取れば、左の極にはサンドベージュまでが入ってくるだろう。
カーキという言葉の響き、僕らにとっては骨太な印象が強いが、実のところ、非常にエレガントなアースカラーでもある。ということは、馴染み深いうえに、使い方次第では数段大人の匂いがする便利な色。これがカーキなのだ。そのように捉え直すと、カーキ周辺の景色がガラリと変わってくるはずだ。

ラグジュアリーな服で、世界が変わる?

ジャケット36万円、Tシャツ3万6000円、チーフ2万円、パンツ8万6000円、ベルト12万円、スニーカー11万8000円/すべてブルネロ クチネリ(ブルネロ クチネリ ジャパン 03-5276-8300)
カーキを、大人志向へ全方位的にアップグレード。その答えが、世界屈指のラグジュアリーブランド、ブルネロ クチネリというチョイスになる。アースカラー特有の優しさを、セットアップでエフォートレスに味わうのだ。
地球上に存在する力強くソフトな色、例えば砂漠の熱せられた砂からインスパイアされたという今季の色使いは出色で、素材感の出やすい色だけにクオリティに気遣う大人も大満足。ムラ感のあるリネン×ウールが織りなす豊かな素材の表情は、ぜひ味わってもらいたい。
もちろん、職人たちの手仕事が生む着心地も素晴らしいうえ、ピークトラペルのジャケットデザイン、1タック入ったテーパードパンツと、モダンさにおいても先を行く。
この一着が、カーキ観を、いや、ファッション観さえも変えてしまうかもしれない。

さんざん着倒したお馴染みの色使いだから……

シャツ3万1000円/ロンハーマン 0120-150-116、Tシャツ6500円/パターソン(エストネーション 03-5159-7800)、パンツ1万7000円/ディストリクト(ディストリクト ユナイテッドアローズ 03-5464-2715)、靴4万9000円/ソロヴィエール(ビオトープ 0120-298-133)、サングラス2万2000円/レイバン(ユナイテッドアローズ 六本木ヒルズ店 03-5772-5501)
骨太さを知り尽くしたオリーブ&チノカラーは、ミリタリーカジュアルの1丁目1番地だ。ところが、配色は同じなのに、シルエット、ディテール、合わせる小物の変化でかくも品格が伴うとは!

ミリタリーシャツは、幅広&短丈のデザインを畝幅の異なる3種のコーデュロイを切り替えたグッドデザイン。スエードシューズとの起毛感を揃える気配りも。チノは1タックのテーパード、ダブル裾で仕上げたスラックス仕立て。胸元にはクラシカルなグリーンレンズのサングラスを挿せば、もう盤石。

アメリカンクラシックな匂いも漂わせて

コート6万6000円、シャツ2万8000円/ともにカラー ビーコン(カラー 03-6427-6226)、パンツ3万円/ニート(にしのや 03-6452-6934)、スニーカー1万5000円/ナイキ スポーツウェア(ナイキ 0120-6453-77)、ブレスレット7万5000円/ノンネイティブ×エンド(ベンダー 03-6452-3072)、バングル1万2000円/ファンタスティックマン(ファンタスティックマン トウキョウ http://fantasticman.jp)
どんな色にも溶け込むメリットがあるといっても、色に力がないことにはならない。黒×ネイビーのダークカラー上下を春らしく見せるひとつの解答として、カーキのステンカラーコートを羽織る、これを推したい。

柔和で軽やかな印象を高めつつ、アメリカンクラシックな薫りも加える、そんな力を借りるため。エアリーな素材感と絶妙なハーフ丈に、ジャパンモードを牽引するブランドのセンスが滲んでいる。同系の足元は、レフ板効果で全体が明るくなる。

ベージュスエードとエクリュで人柄もソフトに

ジャケット11万円/オールドマンズテーラー(ザ ディアーグラウンド 0555-73-8845)、ニット3万円/オーラリー 03-6427-7141、Tシャツ5000円[3枚パック]/ヘインズ×ビューティ&ユース(エイチ ビューティ&ユース 03-6438-5230)、デニム2万1000円/キャプテン サンシャイン(クリップ クロップ 03-5793-8588)、スニーカー1万3000円/イエスタデイズ トゥモロウ(ベンダー 03-6452-3072)、腕時計51万円/オメガ ︎03-5952-4400
カーキをレザーで楽しむ術。これは、シンプルにベージュスエードで決まりだ。レザーのカーキとなると武骨さが前に立つように思えるが、起毛がきめ細かくマットな質感の良質なものなら、品の良さを滲ませる。
ここにはデニム&白Tシャツを合わせたいが、色の調和を考えるとエクリュ(生成り)がベター。ベージュグラデーションのトップスが革ジャン&デニムの鉄板コンビに加わり、柔和さが際立つのだ。人柄まで好印象に見える、そんなコーデといえる。

鉄板という思い込みを、改めてみる

コート16万5000円/マディソンブルー 03-6434-9133、シャツ1万5000円/スティーブン アラン(スティーブン アラン トーキョー 03-5428-4747)、デニム2万3000円/A.P.C. 03-3710-7033、スニーカー6万4000円/ビズビム(F.I.L. TOKYO 03-5725-9568)
トレンチ&デニムといえば、強いつながりのあるコーデのひとつ。ここに立ち入る隙はないかといえば、そうでもない。素材と色を再構成するのだ。

選んだのは本流のベージュカラーと違い、ミリタリー感が強いオリーブを軽快なリネン素材で仕立てた、季節感漂うコート。ウォッシュドの薄色デニムと相性も良く、リゾート感も漂っている。これを同色のエスパで盛り上げると楽しさも倍増する。

ボタニカルな配色、オフ白×オリーブ

ジャケット3万2000円/ウエストオーバーオールズ×ジャーナル スタンダード(ジャーナル スタンダード 表参道 03-6418-7961)、シャツ2万3000円/ニュアンス(アルファ PR 03-5413-3546)、Tシャツ5800円/ウィンダンシー(レイク・タホ 03-5708-5757)、パンツ2万3000円/サタデーズ ニューヨークシティ 03-5459-5033、サンダル4万3000円/カラー ビーコン(カラー 03-6427-6226)
オリーブカラーのパンツといわれて、僕らの世代がまず頭に浮かべるのは軍パンであろう。が、2タックパンツ&薄色へのアップデートで見違えるほどコンテンポラリーになる。

このパンツを主役に据えるなら、限りなく白に近いオフホワイトのトップス2点をアンサンブル風に合わせたい。ダスティな色同士、相性は抜群。仕上がりは、まるでボタニカル。オリーブの葉の表裏のようなナチュラルな配色は、人を優しい気持ちにさせる。
 

押さえておきたい、カーキなアイテムたち


[1]
ビームスにより、春仕様にアレンジされたバブアー「ビデイル」。オイルドクロスではなく、撥水、透湿、防風性を持つ高機能素材に。薄い色みと素材の軽量感は新鮮だ。4万2000円/バブアー×ビームス プラス(ビームス プラス 原宿 03-3746-5851)
[2]
山形のニッター、奥山メリヤスが作るモダンなコレクションを揃えるバトナー。縦長のワッフル編みをベースとしたコットンのカーディガン。オリーブの色みが優しい。2万8000円/バトナー(ワイルドライフテーラー 03-5728-6320)
[3]
リゾート感溢れるリネンイージーパンツ。ワンタックでワタリ幅のある、ゆるめのテーパードシルエット。ナチュラルな風合いと風になびいて揺れる感じが心地良い。2万8000円/アンデコレイテッド マン 03-3794-4037
[4]
パンツ専業の名門ブランドによるノータックスリムフィットパンツ。美脚へのノウハウが詰まった作りと深いオリーブカラーの発色は、コーデの軸になりうる。4万4000円/インコテックス(スローウエアジャパン 03-5467-5358)
[5]
素材から作るジャパンブランドの比翼シャツ。ソフトなチノカラーは、シャツではあまり見かけない色。高密度のコットンポプリンは光沢感とハリコシがあり、着心地もすこぶる快適だ。2万円/アンフィル 03-5775-3383


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