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2018.03.15

ファッション

センスのいい大人が「これからも絶対リピート!」宣言する信頼アイテム

時代がどうあれ、トレンドがどうあれ、何かに影響されることなく偏愛し続けるアイテムがある。これは「服好き」な人の“あるある”なんじゃなかろうか。でも、これらのアイテムはともすると「定番」すぎて、着こなしがマンネリになるリスクも持っている。
同じ服、同じ靴をずっと愛用しているのに、着こなしが古臭くならないのはなぜだ?
来る日来る日も膨大な服を見続けているファッション業界人に聞いてきた「信頼のリピートアイテム」。後半は、「向こう10年、絶対にリピートする!」と宣言するアイテムをピックアップ!
>センスのいい大人が10年以上リピートする信頼アイテムと春の着こなしはコチラ
 
 
尾崎雄飛さん(38歳) のリピートアイテム

ベルベストの「ジャケット・イン・ザ・ボックス」
リピート歴:2年

尾崎さんのベルベスト「ジャケット・イン・ザ・ボックス」コレクション。初めて仕立てたのは、上段中央のツイードのもの。その他、’70年代を意識したウールシルクリネンのストライプ柄やうっすらピンクの糸も混じったライトグレー。くるみボタンを付けた変わり種に夏の定番、リネンポリコットンのブルーチェックを所有。
ここにあるのはすべて、イタリアの名門ベルベストの「ジャケット・イン・ザ・ボックス」というジャケットである。その名のとおり“畳んでボックスに入れられる”アンコン仕立てのモデルで、尾崎雄飛さんはこれを5回もリピート、オーダーしている。
「2年前、機会があって初めてオーダーしたのがツイードの一着(上段・中央)。デニムに合わせられるように作ってもらったら、これがあまりの着心地の良さでビックリ。カーディガンみたいなんですよ。昨日までニューメキシコへ出張だったんですが、もちろん持っていきました。まさにジャケット・イン・ザ・ボックス状態にして」。
尾崎さん曰く、ベルベストの魅力は「引き算のデザイン」とのこと。いわゆるサルトリアが見せたがる過剰な立体感もなく、ディテールも控えめ。「マシンメイドだからか、いい意味での既製服っぽさがあるんです。それがカジュアルにもマッチする理由かなと思っています。形と仕立ての良さは文句なし。一生着られます、自分の体型さえ変わらなければ(笑)」。

「オッサンになったらシブい服をシブく着たいなぁ」

PROFILE●「サンカッケー」デザイナー。ファッションに目覚めた10代の頃、単身ロンドンはサヴィル・ロウへ旅立ったほどテーラードが好き。ヴィンテージへの造詣も深い。最近はジョージ・ネルソンの「バブルランプ」のヴィンテージをコレクト中。
くるみボタンにしたブラウンチェックの一枚をネイビーのスラックスで。「茶と紺、チェックってオッサンっぽい。30代も後半に差し掛かって、ようやくそのシブさを楽しめるようになってきました。だから腕時計もゴールドで。でも、ホントにただのシブい人にはなりたくないので、足元はヴァンズで。こういうハズシを許してくれる懐の深さも、ベルベストは持っているんですよね」。
 
高畑 誠さん(36歳)のリピートアイテム

ニューバランスの「MW880」
リピート歴:8カ月


「実はここ半年、週5日ペースで履いてます」と高畑誠さんが語るのは、ニューバランスのスニーカー「MW880」。実はこれ、ライフスタイルカテゴリーなどのメジャー品番ではなく、ウォーキングカテゴリーの最上級モデルだ。ファッションシーンでニッチな存在である「MW880」を高畑さんが偏愛する理由は、その機能にある。
「もはやシューレースを結ぶのも面倒だと思っていた自分が、ダイヤル式のボアクロージャーが付いたこのモデルに出会ったのは昨年の7月くらい。ちょっと衝撃でした(笑)。スリッポン感覚で足入れをしてダイヤルを回せばしっかりホールドされる。さらに驚いたのが「レブライト」ソールによるクッション性で、めちゃくちゃ快適なんです。初めて履いてからまだ8カ月ですが、先日、二代目を手に入れてしまいました」

「程良く個性的なデザインも気に入っています」

PROFILE●A_UNN PR プレスチーフ。アパレルブランドはもちろん、スポーツブランドからインテリア、京都銘菓などさまざまなアイテムの魅力を伝える。体育会出身のスポーツマン。
「ダークトーンなスタイリングに合わせると少しモードな雰囲気が出るんです。個性が出せるうえに快適とは一石二鳥。オールブラックだと悪目立ちしないので、たまにスーツやセットアップにも合わせていますよ」
「2Eと4Eという2種類の足幅のうち、広めの4Eをセレクトしています」
 
岡部文彦さん(42歳) のリピートアイテム

フェニックスの「ニッカーボッカーズ」
リピート歴:約3年

岡部さんは、冬は中央と左のウール仕様、暖かくなってくると右のナイロン仕様に衣替え。年中活躍するリピートアイテムだ。
キャンプや釣りなどを通じて自然と都会を行き来する生活を楽しんでいるスタイリストの岡部文彦さん。そんなライフスタイルにフィットするという理由から、「ここ数年はニッカーボーカーズしかはいていない」という。
「趣味や遊びで感じた“こんなのあったらいいな”を、アウトドアブランドのアルクフェニックスと形にしたのがこのパンツ。英国紳士がゴルフをするときにはいていたようなクラシックなデザインに目がいきますけど、追求したのは歩きやすさや通気性。つまり機能なんです」

裾はしっかり絞れるように、2つのスナップボタンを配している。そうすることで、太もも部分にゆとりができて歩きやすい。腿には斜めに止水ジップを配したポケットを装備。ウエストはラウンドしたカッティングでゆとりを持たせ、歩きやすさを追求した。
「これが驚くほど快適。しかも人と被らない(笑)。イージーパンツとか流行ってますけど、絶対コッチのほうが気分いいですよ」。

「優秀ニッカボッカーズをストリート仕様で」

PROFILE●スタイリスト。趣味は釣りやキャンプ、モトクロスなど。そんなライフスタイルを反映した、アウトドアエッセンスを取り入れたスタイリングで知られる。二児の子を持つオトーチャンでもある。
ナイロンパーカやダナー ライトにマッチするニッカーボッカーズ。「これをはくにはロングソックスが必須なのですが、そこに僕はバイクギアブランド、フォックスのものを使ってます。派手なデザインもクラシックなパンツの顔付きに妙にハマるんですよね」
バイクギアブランドのフォックス(左)は、フィット感が強く落ちてこないのもいい。アーガイルなどの柄ソックス(右)の場合は、主張の強い色を避けるのがポイントだとか。
 
長谷川茂雄=取材・文


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