デニムを着て働きたい。だって、デニムはそもそもワークウェアで、働くための服だったわけだから。いい笑顔で、真剣に働く男たちにデニムは絶対に味方してくれる!
というわけで、業種を越えて集めた、デニムで働く人々のリアルなスタイルサンプル。どうぞご覧あれ。
>46歳 IT企業勤務の場合 はコチラ 38歳 映画プロデューサーの場合
松井 宏さん(38歳)
気鋭、三宅 唱監督との仕事で注目を集め、代表作は『Playback』『THE COCKPIT』など。評論家、翻訳家の顔もあり、音楽や文学などカルチャーにも精通する。
制作とスポンサーとの間を奔走。激務とデニムの関係は?
「派手に聞こえる肩書とは裏腹に、仕事はとっても地味なんです。裏方ですから」と控えめに語る松井さんに、一般的には想像しにくい映画プロデューサーにとっての仕事着を聞いてみた。
「オフィスでの作業や、監督やスタッフなど、制作サイドの人と会うような場合は、普段着なので基本デニムです」。ルール無用の日には、カラーアイテムを積極的に用いるそうで、赤やピンク、グリーンなどの服も守備範囲という。
キチンとするときは襟付きで
一方で、「大人の日」とでも呼ぶべき、かしこまりたい場合もある。
「スポンサーや劇場の方などと話をするときは、僕のなかでかしこまります。といっても“襟付き”がマストって程のルールですから、ハードルは低いですかね(笑)。デニムは濃色のストレート。一番のフォーマルはA.P.C.のプチスタンダードの黒です。もう廃番になってしまったのが残念ですが……。A.P.C.の品のある端正な佇まいは、デニムのなかでも特別な存在感がありますよね。きちんとしなきゃいけないときでも、これなら大丈夫というか」。
ストレートデニムは、痩せ型であるご自身の体型補正にもなっているそう。「スキニーだと貧弱に見えるし、妙な“オシャレ感”が出ちゃう。ゴワッとした生地感のヘビーオンスなら、骨太で、細さを隠せるからいいんです」。
映画プロデューサーのデニムスタイルを支えるアイテム
ブラックデニム
「リバー」と名付けられたテーパードシルエットは、デニムで名を馳せたブランドならではの美しさ。“やりすぎ感”のないユーズド感も仕事向き。
黒いローテクスニーカー
ブランドの定番、レースアップスニーカーの最新モデル。仕事での着用に相性のいい「オールブラック」に仕上げている。素材によって染まり方が異なり、黒の多彩さも堪能できる。
ワンウォッシュのGジャン
ケバ感のある味わい深いデニム生地がA.P.C.らしさ。無駄な装飾がないシンプルなデザインのために、仕事着にも使い勝手は良い。スラックスなどと合わせればクリーンに決まること請け合い。
長袖のポロシャツ
ビジカジの定番、ポロシャツ。ビューティ&ユースのエクスクルーシブは、ピンクがかった独特なベージュカラーが特徴。
リネンシャツ
働く男を爽やかに見せるリネンシャツ。身幅が広くアームホールの大きな仕立ては、風をはらませるようなリラックス感もある。LA発のライフスタイルブランドらしさが宿る。
梶 雄太=写真・スタイリング