2017.10.01

ファッション

足元を見られても素敵な男でいるために頼りたいモノがある

休日に履く一足ならば、やはり快適さは求めたいところ。とはいえ、大人らしい上品な趣はキープしたい。そんなわがままに応えてくれるのがスリップオンタイプである。
コンフォートとエレガンスの両立を叶えた気の利いた一足に、この秋は存分に頼ろうじゃないか。

こちらのは着こなしは、シャツはシャツでもビッグシルエット。襟型は今どきなオープンカラーだからシャンと見えつつ堅苦しさは感じない。手抜きに見えないけど快適。そのバランスはスリップオンタイプの革靴にもいえること。

1879年、英国靴の聖地、ノーザンプトンで設立した老舗。こちらは、同社が誇るローファーの定番モデルをベースに、日本人の足型に合わせて開発した「キャベンディッシュ3」。踵周りやサイズを狭めたアーチ部分が特徴的で、甲に配したタッセルがなんともエレガンス。

ぽってりフォルムに親近感が湧くこちらのローファー。使用したのはフランス屈指のタンナーで知られるデュプイ社の上質な革。ブラックラピド製法により作られているため、耐久性に優れ、ソールの返りもいい。

ローファーには珍しいアンクル丈のサイドゴアタイプ。モディファイしたミリタリーラストを採用しているため、履き心地も秀逸だ。美しく磨かれたキャップトウにはトリプルステッチを加え男らしさも演出している。

多くの著名人の足元を支えてきた同社のローファー。モカ縫いステッチ、ストラップ横のビーフロール仕様、深みのあるバーガンディ。代表的なディテールを搭載した、時代を経ても色褪せない名作。

端正なビットローファーにスニーカーの快適性をドッキング。画期的テクノロジーの「グランド.OS」を採用したことにより、驚異の屈曲性や軽さ、そしてストレスフリーなクッショニング、通気性を見出した。

紐ナシ手間ナシが謳い文句のモンクシューズも選択肢に

シューレースはなく、あるのはストラップのみ。だから着脱のたびに紐を結んだり解いたりする必要はなし。モンクシューズは、スリップオンにも通ずるそんな手軽さがいい。どちらを選ぶかはあなた次第。

アンクル丈のダブルモンク型ブーツはサントーニのアイコニックなモデルで、こちらには柔らかなカンガルースエードを採用。アウトドアブーツに用いられる伝統的なチェルヴィーノ製法で作られているから安定感は抜群で耐久性にも優れている。

古くからあるデザインを参考に制作されたシングルモンクで、シンプルなデザインと流れるような美しいラストを融合した一足。素材には、英国製のキメ細かなブラックスエードのスーパーバックを使用している。

ウイングチップ、キルトタン、モンクストラップと、デザインはとことんクラシック。型押しのフレンチカーフを使いながら、それらをバランス良く表現した点が出色だ。丸コバの土踏まずや半カラス仕上げなど、繊細なソールの仕上げに気品を感じさせる。

快適さと品の良さ。革靴でそれら二兎を追って、まさか二兎とも得られるとは。それだけでもスリップオンタイプの革靴は旨味がある。一度履けば、大人にとってどれだけ嬉しいか、きっと実感できるはず。

太田泰輔＝写真（人物）　鈴木泰之＝写真（静物）
武内雅英＝スタイリング　YOBOON＝ヘアメイク

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