ファッションデザイナーが「仕事」としてその流行を作ってきたのであれば、もしかしたら彼らの究極の夢は、ややこしいしがらみも何も気にせず、「自分が着たい服」を作ることなんじゃないか!? ここに紹介する服は、業界の第一線で活躍する大人の男が作る服。豊かな感性や鋭いセンスをよりピュアに、エゴイスティックに表現した、ちょっと味わい深いワードローブだ。
REGULATION YOHJI YAMAMOTO
「レギュレーション ヨウジヤマモト」のジャケット&パンツ
なんと!“世界のヨウジ”こと山本耀司さんも「自分が着たい」を作っている。彼が好む「制服」をテーマにクリエイションされるワードローブはモード過ぎず、リラックス感があって、やっぱり黒い。
NAISSANCE
「ネサーンス」のセットアップ
オーシャンズでもおなじみのスタイリスト熊谷隆志さんのプライベートブランドは、「大人が気持ち良く着られる」を意識。1枚でさらっと着てキマる、こんなセットアップがその好例だ。
THE SHEPHERD UNDERCOVER
「ザ・シェパード アンダーカバー」のジャケット&シャツ
アンダーカバーのデザイナー、高橋盾さんが「今着たい」をテーマに作る。胸につくトレードマークは羊だ。チェックの使い方や4つボタンのジャケットなど、どこかパンクでクールなデザインが特徴。
DESCENDANT
「ディセンダント」のシャツ
ディレクターの西山徹さんは、東京ファッションシーンの中心人物として必ず名前が挙がるスタイルに満ちた人。そんなクールな人が手掛ける服のアイコンは意外にもクジラ。それが背中に施された新作シャツは、海好きな人の心も捉えた。
彼らが影響を受けたカルチャーやエピソードが盛り込まれた服は、着る楽しさに加え、本を読むかのような知的な楽しさすらある。いずれにせよ、その人に共感や興味があれば、ファンになって袖を通してみてほしい。ただ流行を追うよりも骨太な喜びが、そこにはあるはずだから。