藤井隆行の視点。私的傑作批評 Vol.14
2021.05.23
CAR

美しきポルシェ「タイカン 4S」は、いかにEVの新たな扉を開いたか

「藤井隆行の視点。私的傑作批評」とは……

次に買う車はやはりEV(電気自動車)にしようと考えていて、さまざまなEVを研究中です。

テスラもメルセデス・ベンツもトヨタもホンダも、EVについてそれぞれ違う考え方を持っていると思いますが、じゃあポルシェはポルシェらしさをEVでどう表現しているんだろう?と興味を覚え、少しだけ試乗させていただきました。

EVの新たな扉を開いた美しきポルシェ「タイカン 4S」はクラシックでサステイナブルな一台だ

38歳のときに1年くらいポルシェ911に乗っていたことがあるので、その感触を知っているつもりの僕が、ひと言で感想を言うなら「やっぱりポルシェ!」です。

ちょっとアクセルを踏むとあっという間にスピードが出て、足回りも良く、ハンドルのサイズやウインカーの音だってしっかりポルシェ。ただひとつ複雑な気持ちになったのは、当たり前ですがエンジン音がしないことだけ。

911ではなくSUVでもなくセダンをEVにしたのは、きっといろいろな人が乗れるようにするためではないでしょうか?

それにしても地球のことを考えると、今まで人間が好き勝手にやってきたことのしわ寄せがいよいよ深刻です。子供たちが大人になる頃にはどうなっているんだろうと不安になります。

何かを買うときは責任を持ってモノを選ばなくてはいけないし、どうすればいいかもっと議論し、自分ができることから始めていかなくては。もうかわいいとかカッコいいとかだけで買い物は成立しない時代です。

僕はデザインも車も好きだから、やはりファッション性とエコのバランスが取れている車を選びたい。そういう意味でこれはかなりバランスがいいと思います。

「ポルシェ」のタイカン 4S
ポルシェ初のEVスポーツカーとして登場し、電気モーターを前後に1基ずつ搭載した前輪駆動。4ドアのスポーツセダンで、室内は広く、ラゲージコンパートメントもふたつ装備する。0→100km/h加速がたったの4秒で、航続距離は最長484km。全長4963×全幅1966×全高1379mm 1448万1000円〜

だいたいEVだと妙に未来っぽいデザインになったり、エコを強調するあまりどこかにブルーの色を使ったりしますが、これはむしろクラシックで、未来からやってきたロボット感はない。エクステリアのカラーも渋く、ポルシェらしいリアが特徴の上品なセダンです。

ポルシェの矜持は守りつつ、サステイナブルを考えることはもはや普通のことなんだよと言っているよう。EVの高級車が大きな一歩を踏み出した気がします。やっぱりいいモノにはプライドがあるんですよね。

[藤井隆行 プロフィール]
東京を代表するブランド「ノンネイティブ」のデザイナーで、ファッションからライフスタイルまで一貫したこだわりを持つ。「ノンネイティブのプレサマーコレクションがスタートしているので、ぜひ手に取ってみてください」。

「藤井隆行の視点。私的傑作批評」とは……
世の中のありとあらゆるプロダクツから、「ノンネイティブ」藤井隆行さんが独自のセンスと審美眼でモノをセレクト。デザインとは? 実用性とは? 買い物の醍醐味とは? ブランド名や巷の情報に惑わされず、本当に自分に必要なモノと出会う方法を指南。
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竹内一将(STUH)=写真 町田あゆみ=文

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