乗りたかったのは、キブンが乗るクルマ Vol.63
2019.11.02
CAR

バイクとは似て非なる楽しさ! 前二輪・後一輪の「リバーストライク」に注目

停まっているときは暑くも寒くもなく、走れば切る風が涼しい秋は、バイクツーリングのベストシーズン。

今増えている、子供が手を離れて久しぶりにシートにまたがるリターンライダーも、新たなバイクライフをスタートをするにはちょうどいい季節だ。

しかし、年を重ねたからこそ若い頃とはひと味違うバイクに乗りたい。そんな大人たちに、新たなトレンドとなりつつある「リバーストライク(前二輪・後一輪の三輪バイク)」を勧めたい。

メーカーオリジナルのリバーストライクが多数登場

トライクと聞くと、大型バイクやビッグスクーターを改造した前一輪・後二輪のバイクを思い浮かべるかもしれない。アメリカでは古くから親しまれてきたカスタムビークルの一形態だ。

ただ、トライクはあくまでも二輪の派生形で、カスタムトライクのオーナーは一部の愛好家に限られていた。そこへ一石を投じたのが、2000年代後半に登場した、もともと前二輪・後一輪で設計されたリバーストライクである。

多くのトライクと違い、リバーストライクはメーカー自身が製造・販売する。エンジンやフレームを含めたすべてが量産車として専用設計され、完成度が非常に高い。メーカーのメンテナンスや保証も受けられ、初めてのトライクにはちょうど良いのだ。


オープンカーとバイクのいいとこ取り
Can-Am「ライカー」

「ライカー」本体車両価格135万9000円〜。ホームページはコチラから。

現在はさまざまなメーカーから登場しているが、代表車種のひとつはカナダのメーカーであるBRPが展開するCan-Am(カンナム)シリーズ。

なかでも、今年春に日本上陸をはたした「ライカー」は、より手頃にリバーストライクを楽しめる。

「ライカー」の醍醐味は、その独特のライディング感覚だ。左右に大きく張り出したフロントタイヤで、カーブではリーン(車体を左右に傾斜)せずにハンドル操作のみで旋回する。体を常に起こしたままなので、バイクにはない遠心力を味わえ、その感覚は、スノーモビルに似ているという。

重心が低いので安定性が高く、2つの前輪の位置も見えるので、車幅感覚にまったく不安がないのもポイントだ。

ボディサイズは全長2352mmと大型バイク並みに長く、車幅は1509mmで日本の軽自動車とほぼ同じ。それでいて、全高は1062mmしかないので、レーシングカーのような地を這う感覚で走ることができ、街を走る姿がこれだけ目立つバイクもめったにない。

スポーツオープンカーのような安定感と、バイクの疾走感の両方を味わえる新感覚の乗り物だ。

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スチームパンクのような見ためと最新の乗り味
ヤマハ「ナイケン」

「ナイケン」本体車両価格178万2000円〜。

一方、リバーストライクでありながらバイクのようなスポーティなコーナリングが楽しめるのがヤマハの「ナイケン」。ヤマハ独自のLMWというテクノロジーによって、三輪の安定感はありながらカーブではバイク同様にリーンして旋回することができる。

そして「ナイケン」の最大の特徴は、なんといってもそのメカメカしいルックス。ひと際目を引く計4本の倒立式/タンデムフォークのフロントサスペンションは、まるでスチームパンクの世界の蒸気機関の動輪と主連棒のような出で立ち。

三輪なので当然安定性も高く、二輪と比べて格段に運転のストレスは少なくでき、しかも「クルーズコントロールシステム」を装備することによってハンドルスイッチでスピードをコントロールできるので、常にアクセルグリップを操作し続ける疲労がかなり緩和される。

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「ライカー」は普通免許、「ナイケン」は自動二輪免許

価格はCan-Am「ライカー」が135万9000円からで、ヤマハ「ナイケン」は178万2000円から。ただし、「ナイケン」は受注生産のみとなっているので、街のバイクショップには並んでいない。

注意が必要なのは、「ライカー」は道路交通法で普通自動車に準じる車両、「ナイケン」は自動二輪として扱われること。「ライカー」は普通免許で乗ることができるが、「ナイケン」は大型自動二輪免許が必要になる。

より手軽にオープンエアと独特のライディングを楽しみたければ「ライカー」、よりバイク気分を味わいたい人は「ナイケン」がオススメかもしれない。

いずれを選んでも、これまでに乗ってきた二輪とはまた違うリバーストライクならではの独自のツーリングの楽しさを、存分に堪能できるはずだ。


真矢謙三=文 曽我部 健(清談社)=編集 BRP, Yamaha Motor=写真提供

# カンナム# トライク# バイク# ヤマハ#
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