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2026.10.24

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“豚骨以外”もハイレベル! 淡麗、小郡系…ラーメン激戦区・福岡でいま食べるべき4杯


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「地方ラーメン激戦県」とは……

もつ鍋、水炊き、明太子など、名物グルメで賑わう日本有数の食の街・福岡。その代名詞である「博多ラーメン」だが、現在のシーンは豚骨だけにとどまらない。

本稿では博多ラーメンの歴史や変遷を紐解き、ラーメン官僚が厳選した「今食すべき珠玉の4杯」を紹介する。
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【写真21点】「豚骨だけじゃない!懐深きラーメンの都・福岡の厳選4杯」の詳細を写真でチェック
案内人はこの方!
かずあっきぃ(通称・ラーメン官僚)●本職は官僚。大学時よりラーメンの食べ歩きを始める。「COWCOWのまるまるラーメン最前線」(BSフジ)、「食楽web」をはじめ、あらゆるメディアでラーメン連載を担当している。年間700杯食べる秘訣は「ラーメン以外を食べないこと」。

かずあっきぃ(通称・ラーメン官僚)●本職は官僚。大学時よりラーメンの食べ歩きを始める。「COWCOWのまるまるラーメン最前線」(BSフジ)、「食楽web」をはじめ、あらゆるメディアでラーメン連載を担当している。年間700杯食べる秘訣は「ラーメン以外を食べないこと」。


九州最大の都市・福岡を象徴するグルメ「博多ラーメン」

今回のコラムでは、福岡県福岡市のラーメンシーンを紹介する。

同市は、約167万人(2026年10月現在)の人口を擁する九州最大にして、九州の経済・行政・文化を牽引する中枢都市。博多湾に面した地勢の利を活かし、古くから大陸との交流拠点として発展。現在も、九州各地と本州を結ぶ交通の要衝として、広域的な人の流れを生み出し続けている。

また、福岡市ほど空港と都心部が近接する都市は、全国を見渡しても稀だ。空の玄関口である福岡空港国内線ターミナルから地下鉄に乗れば、九州最大のターミナル駅である博多駅までわずか6分。さらに、天神・薬院・中洲を中心に広がる繁華街へも短時間で移動できる。



そんな同市は、観光名所も数多い。博多駅周辺の賑わいから、天神の商業エリア、中洲が繰り広げる夜の景色、博多旧市街に残る歴史的な街並みに至るまで、少し移動するだけでさまざまな表情に出逢うことができる。「櫛田神社」をはじめとする寺社や、博多祇園山笠に代表される伝統文化も、同地が積み重ねてきた時間を厳かに物語る。

「食」もまた、福岡の街に鮮やかな輪郭を添える。水炊き、もつ鍋、明太子、玄界灘の海の幸。多種多様な名物料理が福岡市の食を彩るが、その中でもラーメンの存在感は格別だ。

真っ先に挙げられるのが、「博多ラーメン(博多豚骨)」。白濁した豚骨スープに細ストレート麺を合わせ、「替玉」で麺をお代わりする。この独特の食べ方を含め、福岡市を象徴する食文化として全国に知られている。

もっとも、現在広く知られる「白濁スープ」と「細ストレート麺」の組合せだけで、博多豚骨の歴史を語ることはできない。その成立過程をたどると、久留米、博多、長浜という、異なる土地で育まれた三つの流れが浮かび上がる。

「双喜紋」の豚骨ラーメン

「双喜紋」の豚骨ラーメン。


豚骨ラーメンのルーツとして知られるのが、久留米市だ。1937年、「南京千両」が、豚骨ラーメンの原型を生み出した。当初のスープは、現在主流の白濁タイプとは異なり、清明なものであった。その後、1947年、「三九」で、偶然の出来事をきっかけに白濁豚骨スープが生まれたとされる。

一方、福岡市・博多では、戦後間もない時期に「赤のれん」と「博龍軒」が登場する。芳醇なカエシの風味を忍ばせた豚骨スープが特徴的な「赤のれん」と、すすり心地滑らかな平打ち麺が印象深い「博龍軒」。両店は互いに協力しながら、博多ラーメンの原型を創り上げた。「博龍軒」では今でも平打ち麺が用いられ、「赤のれん」もカエシを利かせた豚骨スープと平打ち麺のスタイルを守り続けている。

さらに、1950年代には、福岡市の長浜で独自のラーメン文化が生まれた。魚市場で働く人々が、忙しい仕事の合間に素早く食べられるよう、茹で時間が短い細ストレート麺が用いられるようになった。「替玉」という独特の麺追加システムも、市場で働く人々の食事情を背景として定着したとされる。

つまり、現在の博多豚骨は、シンプルな一本の流れから広がったものではない。久留米で生まれた白濁豚骨スープ、「博龍軒」と「赤のれん」が作り上げた1杯、長浜で生まれた細麺・替玉文化。各々の土地で培われたラーメン文化が影響を及ぼし合うことで、博多豚骨の今がある。

このような成り立ちを背景に、福岡市の豚骨ラーメンは、驚くほどの多様性を帯びている。

博多駅周辺など、多くの観光客が行き交うエリアでは、「一風堂」や「博多一幸舎」など、うま味と塩味を明確に打ち出し、ひと口目から強い印象を残す1杯を提供する店舗が目立つ。豚骨の濃密なうま味を、カエシの明瞭な塩味が引き締めるスタイルだ。

福岡ラーメンシーンで存在感を増す“非豚骨系”

一方、市内全域を見渡せば、それとは異なるタイプの味で勝負する名店も数多く存在する。例えば、田隈の「ふくちゃんラーメン」では、豚骨のうま味とコクにカエシの甘みを優しく重ね、舌上に豊かな余韻を残すスープが支持を集める。西区の「安全食堂」も、濃度や塩味を強く打ち出すことなく、穏やかな味わいの中に豚骨の滋味を宿すスープで、根強い人気を誇る。

西新の「双喜紋」が繰り出す1杯は、カエシの上質な甘みがもたらす余韻の心地良さが持ち味。中洲川端に店舗を構える「きりん」の柔らかな口当たりと穏やかな甘みを備えたスープは、隣県・佐賀のラーメンを彷彿させる。

「きりん」の豚骨ワンタンメン

「きりん」の豚骨ワンタンメン。


市街地の外縁部には、豚の風味やコクを素直に打ち出した、口当たり柔らかな昔ながらのラーメンを提供する老舗も点在する。その味わいからは、そこに住む人々の胃袋を長年にわたって支えてきた日常の風景が垣間見える。

力強いうま味が鮮やかな印象を刻む1杯、豚骨のうま味とコクを研ぎ澄ませた1杯、柔らかな口当たりに滋味が宿る1杯。こうして見ていくと、福岡市の豚骨文化は、決してひとつの型に収斂されないことが分かる。

さらに近年、福岡市においては、豚骨以外の素材を主役に据えたラーメンを提供する店舗の存在感が、急速に高まってきている。「らぁめんシフク(2012年7月オープン)」や、「中華そば かなで(2015年10月オープン)」は、早い時期からそうした流れを担ってきた店舗だ。

2020年代に入ってからも、非豚骨系の新鋭が続々と誕生している。2022年1月にオープンした「らぁ麺稲田」は、焼アゴ、鶏・豚等から採った出汁を軸に、タレに用いる醤油の濃淡を好みに応じて選択できる「あごだし鶏らぁ麺」を提供。2026年4月に開業した「らぁ麺 辰山」も、鶏や乾物等の山海の素材が織りなす複数のうま味を精緻に紡ぎ合わせた淡麗ラーメンを提供する。

「らぁ麺稲田」のあごだし鶏らぁ麺(薄口)

「らぁ麺稲田」のあごだし鶏らぁ麺(薄口)。


今回はそんな福岡市のラーメン店の中から、「らぁ麺 辰山」、「らぁ麺稲田」、「双喜紋」、「中洲川端 きりん」を紹介する。

豚骨の濃密なうま味に惹かれる日もあれば、淡麗スープの繊細な味わいを求める日もある。是非、4軒すべてに足を運び、異なる味わいを楽しみながら、福岡ラーメンシーンの懐の深さを肌身で実感していただきたい。
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