今だからこそ楽しめる、80〜90年代のリーバイス
年齢を重ね、私生活や環境が変化するにつれて、ジーンズに対する考え方も柔軟になっていったと和田さんは語る。ヴィンテージという枠組みに縛られなくなったことで、デニムを選ぶ楽しみが広がった。

「ライフステージが変化して子供が生まれると、以前のように高額なヴィンテージを買い続けるのは現実的ではありません。でも、古着が好きでリーバイスを穿き続けたい気持ちは変わらない。そこで視野を広げて探してみると、80〜90年代のモデルに面白いものがたくさんあることに気づいたんです。今はそうした年代のものを気楽に楽しんでいます。逆に、稀少なヴィンテージは気恥ずかしさがあって今ではなかなか穿けないかもしれません。知識がある人が見たら高額だと分かってしまいますし、それよりも日常の中で自然に穿ける一本のほうがジーンズらしくて良いと感じています」。
そう語る和田さんが手元に揃えているのは、まさに80〜90年代の空気感をまとった個性的なモデルだ。かつては注目されていなかった年代の古着が、今改めて新鮮に映っているという。

「こちらは1985年頃に製造されたと思われる『40505』というモデルです。“505”の品番の頭に付いた数字はカラーコードを示しているのだと思います。30代半ばの頃に古着屋で見つけて購入しました。決して特別なレア物というわけではありませんが、普段穿きにちょうど良く、頻繁に活用しています」。


「穿き込むことでこのグレーに育ったように見えますが、実は最初からこの色味なんです。この絶妙なグレーカラーは探すと意外と見つからなくて、周りとかぶらない点も気に入っています。価格も手頃ですし、やや細身のシルエットなので大人になった今のスタイルにも自然に馴染んでくれます」。


続いて紹介してくれたのは、80年代半ば頃の「550」ケミカルウォッシュだ。
「これは550のケミカルウォッシュデニムです。このモデルには珍しいブラックタブが採用されています。ブラックタブの存在自体は知っていましたが、自分が古着屋の店頭に立っていた当時は特に評価されているディテールではありませんでした。オレンジタブなども同様で、当時は誰も気に留めていなかった仕様が、今になって面白い要素として評価できるのが古着の魅力ですね」。

そしてもう一本、90年代の「501」ブラックも長年愛用しているモデルだ。ブラックデニムは、自身で服を選ぶようになってから絶やさず所有し続けている定番カラーだという。
「昔から先染めのブラック501は必ず1本は手元に置いています。今の年齢になると、定番のインディゴブルーデニムを綺麗に着こなすのが逆に難しく感じることがあって。ブラックのほうが落ち着いた都会的な印象を作りやすいんです。例えばレッドウィングのブーツでも、ブラックソールになった途端にシャープな印象になるのと同じ感覚ですね」。

4/4