こだわりの英国製。現地販売・現地愛用の一本を求めて
そんな大川さんのファッション観を大きく揺るがす出来事が訪れる。雑誌『POPEYE(ポパイ)』との出合いだ。それ以降、スタイルに対する確固たる軸が形成されることになる。

「あの雑誌を知ったことで意識が完全に変わりましたね。『結局、ベーシックなものが一番格好いいんだ』と刷り込まれました。ブルックス ブラザーズのオックスフォードシャツにブルーデニムを合わせるような、トラッドとアメカジを融合させたスタイルです。そこから細身のシルエットをやめて、標準的なスタンダードシルエットへ移行しました。それ以来、自分の服の好みはほとんど変わっていないですね」。
当初は憧れのスタイリストの影響もあり「550」を愛用していたが、定番の「501」も手元に置いておきたいと考え、理想の一本を探し始める。その過程で興味深い情報を耳にする。

「どうやら『501』には、アメリカ製だけでなくイギリス製やフランス製が存在するらしい、ということを知ったんです。当時はイギリス製でワークウェアをベースにした『オールドタウン(OLD TOWN)』というブランドが流行っていたこともあり、『イギリス製=格好いい』というイメージを強く抱いていました(笑)」。
そこで大川さんが入手したのが、オークションサイト(eBay)を介してイギリスの出品者から直接購入したリーバイスだった。


「おそらく90年代頃のモデルで、内側のタグには『MADE IN GREAT BRITAIN』と記載されています。アメリカ製や日本製と何が違うのかと聞かれると正確には分かりませんが、とにかく『現地の人から現地産のものを直接買いたい』という気持ちが大きかったんです。それに、自分の体型に合う38インチというサイズ感にも惹かれました」。
さらに同時期、もう一本のイギリス製リーバイスを入手する。先に紹介した501よりも年代は新しめだが、生地裏の青みが強い質感は、当初大川さんが思い描いていた“UKリーバイス”のイメージに非常に近いという。


「僕がイメージしていたUKリーバイスの質感は、まさにこの裏地の色なんです。色落ちしたときに完全に白くならず、青みが残る感じが実にUKらしくて気に入っています」。


「結果として後に買ったほうを頻繁に穿いていますね。最初の501が思い描いていたイメージと少し違ったので、焦って買い足した一着なんです。購入したのも最初の501の翌週くらいだったと思います。あとから調べて分かったのですが、年代が新しいモデルのほうが裏地の青みが強く出るみたいですね」。
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