
40周年という栄えある年に「ウエポン」を料理したのはSOMA(東京・下北沢)の徳永勝文さんとMAGFORLIA(静岡・藤枝)の山田隆也さんだ。
コンバースがコラボレーションの相手に指名したのは、徳永さんが4回目で山田さんが2回目となる。これまでにも複数回にわたってコラボレーションしたクリエイターはいるが、ふたりには格別な思いがあった。
「アーカイブに紐づくカルチャーまで踏み込んだものづくりができる、マニア中のマニア。それが徳永さんと山田さんです」(プレス)
コンバース・サイドの読みどおり、これまでのコラボレーションはことごとく成功を収めた。いずれもほぼ完売だったというからいまの時代になんとも景気のいい話だ。
注目すべきはコアなファンにとどまらず、幅広い層にリーチしたということだ。直感に訴える普遍性をそなえていたということだろう。
満を持して登場したアニバーサリーモデルもその名に恥じない出来栄えだ。
「ウエポン J VTG 40TH OX」3万6300円/コンバース(コンバースインフォメーションセンター 0120-819-217)
一目でそれとわかる佇まいを残しつつ徹底して見直した。山田さんが所有するアーカイブをベースにトウのボリューム、全体のシェイプからレースステイ、トウバンパー、Yバーのパターンまでミリ単位で調整を重ねたという。トウスプリングを利かせたボリューミーな体躯はこよなくモダンだ。インソールは質感にまでこだわった。

見逃せないのがアッパーだ。 徳永さんは艶やかなスムースレザーとスエードを掛け合わせ、ゴールドをベースにブラックを差した。山田さんは茶芯のレザーをブラック&ゴールドで染めつつ、タンラベルとインソールにパープルを入れた。マニアなら思わず膝を打つ仕上がりである。


コンバース・サイドも脱帽したのが経年変化を緻密に計算した設計だ。採用したレザーが上質な国産であるのみならず、スエードならスエード、スムースレザーならスムースレザーそれぞれの特性を踏まえて適材適所に充てた。履き込めばえもいわれぬ立体感が生まれるという。
NBAを牽引した両雄が履いたバッシュー
ナショナル・バスケットボール・アソシエーション――。すなわちNBAの歴史は思いのほか浅い。協会が設立されたのは1946年6月6日だった。
隔世の感があるが、この新興競技はなかなか芽が出なかった。これをメジャースポーツに押し上げた大立者がレイカーズのマジック・ジョンソンとセルティックスのラリー・バードだ。80年代のNBAファイナルを席巻した両雄はアメリカのスーパースターになった。
1986年、スポーツ業界は蜂の巣をつついたような騒ぎになった。自他ともに認めるライバルが一枚の広告に収まったのだ。出し抜いたのは、コンバース。背中合わせに立つふたりが掲げたのは同年リリースされた「ウエポン」だった。CHOOSE YOUR WEAPON(君のウエポンを選べ)――広告に添えられたキャッチコピーは少年の心を鷲掴みにした。
ふたりにはそれまで交流がなかったが、その広告をきっかけに親交を深め、のちにドリームチームで手を携えた。ドリームチームはバルセロナオリンピック(1992年)の頂点に立ったアメリカ代表チームのニックネームである。
故障を抱えていたバードはもはや満足にプレイできる状態ではなかった。そんな彼の背中を押したのがジョンソンだった。ベンチをあたためる時間の方が長かったが、要所要所で優勝に貢献するプレイを披露し、有終の美を飾った。
オリンピックのコートから降りたバードはその足で引退する。
「ウエポン」がつないだ縁だと思うと感慨深い。
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