フルゴールドの手巻き「デイトナ」に合わせたのは、長年愛用するエルメスなどのヴィンテージジュエリー。時代を超えた名作同士を自然に組み合わせる手元に、十倍さんならではの美意識が表れている。ちなみにモノトーンのシャツはポロ ラルフ ローレンのヴィンテージとのこと。
モデル自体も重要ですが、自然と目がいくのはやはりディテールなんです。「6263ですね」で終わるのではなく、「このプッシャーいいな」とか、「この焼けたダイヤル、いいな」とか(笑)。だからロレックスもリーバイスも、楽しみ方は同じなんです。エルメスのヴィンテージジュエリーにも同じ魅力を感じていますね。
中心には何十年経っても変わらない完成形があって、その周りの枝葉だけが少しずつ変わっていく。その変化を知るたびに、「まだこんなのがあったのか」と気分がアガる。その繰り返しです。

今回用意した「デイトナ」も「デイデイト」も「デイトジャスト」も、人気モデルではありますが、それだけを理由に選んできたわけではない。「この年代の、この一本」と思える理由があって、今手元にあります。
たぶん、“新しい発見”を追いかける楽しさは一生なくならないでしょうね(笑)。今探しているのも新しい時計ではなく、まだ見たことのない時計。そして、まだ気付いていないディテールです。
十倍直昭●国内最大級のヴィンテージイベント「VCM」を主宰し、古着やジュエリー、ヴィンテージカルチャーの魅力を発信。古着とともにヴィンテージロレックスを長年収集し、その審美眼はファッション業界内外から高く評価されている。
9月号別冊「OCEANS WATCH」から抜粋。さらに読むなら本誌をチェック!