[1970’s]ジェラルド・ジェンタが生み出した新たな価値観
「オーデマ ピゲ/ロイヤル オーク オートマティック」ラグスポのパイオニアとしてオリジナルデザインを崩すことなく、リファインし、魅力に磨きをかける。41㎜のケースに、グランドタペストリーを配したシルバーダイヤルが映える。SSケース、41㎜径、自動巻き。418万円/オーデマ ピゲ(オーデマ ピゲ ジャパン 03-6830-0000)
60年代末に起こった、若者たちによるロックと革命の熱狂は、70年代に入ると収束に向かった。反戦の気運もベトナム戦争終結後、社会や政治不信に向けられ、厭世気分が蔓延した。そしてこの間、西ドイツと日本が経済大国になる一方、ドルと金の交換停止やオイルショックによってアメリカの黄金時代は終焉を迎えたのだった。
反体制の活気ある60年代とやがて訪れる80年代の好景気に挟まれ、70年代は茫洋とした空気に包まれる。しかしその曖昧模糊としたなかにも既に変化の予兆は生まれていた。マイクロソフトやアップルであり、その源流にあったのは次なる時代に向けたカウンターカルチャーである。
時計にもこの同時代的カウンターカルチャーは起こっていた。寵児となったのが、“時計界のピカソ”とも呼ばれる偉大なデザイナーのジェラルド・ジェンタだ。
ステンレススチールでありながら、当時としては異例のゴールドに匹敵する価格を掲げ、存在感あるケース一体型ブレスレットを備える。伝統的なドレスウォッチとは対極的なデザインは、高級時計に新たなジャンルを生み出し、それはのちに“ラグジュアリースポーツ”と名づけられたのだ。
「パテック フィリップ/ノーチラス 5810/1G」誕生50周年を記念した限定モデルは、WGのケース&ブレスを採用。厚さわずか6.9㎜のエレガントな薄型ながら、ずっしりとした重量感はコレクションの歴史の重みを今に伝える。世界限定2000本。K18WGケース、41㎜径、自動巻き。1526万円/パテック フィリップ(パテック フィリップ ジャパン 03-3255-8109)
嚆矢となった1972年発表の「ロイヤル オーク」から4年後には「ノーチラス」が登場する。これらを支持したのは、先進的な価値観を持つ新世代の富裕層であり、まさにカウンターカルチャーの申し子といっていいだろう。
誕生から半世紀以上が経ち、メインストリームになった今も、その内なる反骨の精神が滲み出る。
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