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わかりやすさに頼らない、引き算の美学

アイスブルーダイヤルのモデルは、同系色のシャツを軸にコーディネイト。ネイビーの牛革ストラップと相まって、爽やかな印象をいっそう引き立ててくれる。腕時計22万円/フレデリック・コンスタント

アイスブルーダイヤルのモデルは、同系色のシャツを軸にコーディネイト。ネイビーの牛革ストラップと相まって、爽やかな印象をいっそう引き立ててくれる。腕時計22万円/フレデリック・コンスタント 0570-03-1988

「腕時計には、時間を測る道具以上の何かを感じますし、単なるアクセサリーでもないですよね」と、腕時計の価値を重視する斎藤さん。

「作品では、キャラクターを表す小道具として使われることや、親から子に思いを伝えるモチーフとなることもよくあります。一方、日常では、腕時計をきっかけに会話が始まるようなことも。人と人とを繋ぐ存在とは言い過ぎかもしれませんが、腕時計には映画のように世界を広げていく存在となるポテンシャルを感じています」



「僕にとって腕時計は、引き算の美学を助けるアイテム。複数使わずともそれ単体で効果を最大限に発揮してくれるアイテムを、腕時計以外でも選ぶことが多いですね」

斎藤さんの中にある“引き算の美学”は、作品づくりにおいても通底しているようだ。

「世の中には、さまざまな映画があり、それぞれ良さはあるのですが、僕が作品づくりの主体となるときは、わかりやすい表現だけに安易に頼りたくはないんです」

おのずと話は、クリエーションに向かっていく。



「最近、『出演作品見ましたよ。倍速で』って悪びれずに言われたことがあるんです(笑)。時代かなとも思いますが、僕らは、俳優としても、監督としても、セリフがない“間(ま)”の表現を大事にしています。そういう“間”がインスタントに排除されてしまうのは、制作側としてもさみしいですよね。シーンの向こうに見えるものをちりばめていますから。主人公のアップばかりじゃ、つまらないでしょう?」

こうした、過剰さを切り詰め、研ぎ澄まされた表現を心がけるのが、斎藤さんのいう“引き算の美学”なのだろう。このクラシック モネータ ソーラーメーターもまた、秒針をもたない2針ダイヤル。ミニッツトラックを排除したミニマルデザインが特徴で、斎藤さんの求める“引き算の美学”にもどこか重なるように映る。
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