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マイベスト① 揚子江菜館の「五色涼拌麺」


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まずは夏の定番「冷やし中華」からご紹介しましょう。

冷やし中華といえば、色鮮やかな具材と酸味の効いたタレ。日本の夏を彩る風物詩として古くから市民権を得てきた、冷たいラーメン界のパイオニア的存在といえます。その元祖として名高いのが、地下鉄神保町駅のすぐそばにある上海料理店「揚子江菜館(ヨウスコウサイカン)」です。創業はなんと明治39年(1906年)。今年で大還暦(120年)を迎える超老舗です。

いざ店を前にすると、ふらっと立ち寄って良いものか一瞬躊躇してしまう。そんな本格中華ならではの荘厳な佇まいに、早くも男心がくすぐられます。
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注文すべきは当然、冷やし中華の元祖といわれる「五色涼拌麺(ごしょくりゃんばんめん)」。昭和8年(1933年)、当時の店主が「ざるそば」からインスピレーションを受け、試行錯誤の末に完成させたという逸品です。夏季に限らず通年で提供されており、いつ訪れても食べることができます。



富士山をイメージしたという一杯は、こんもりと立体感があり、見た目にも迫力があります。山を覆うように盛られたカラフルな具材は、叉焼、きゅうり、筍の煮付けに糸寒天と、それぞれ四季を表現しており、錦糸玉子は山頂にかかる雲に見立てています。

料理として口に運ぶだけでなく、アート作品として目で楽しめる点も、この店ならではの粋な計らいです。



ラーメン二郎よろしく麺を下から掘り起こし、皿の底に溜まった甘酢ダレとよく和えていただきます。馴染みのあるさっぱりとした酸味でなく、本格中華ならではのふくよかなコクを感じる甘酸っぱい味わい。

博多ラーメンを思わせる低加水で歯切れのよい細ストレート麺は、噛むほどに小麦の甘みを増していきます。するすると喉を通り過ぎるサラダ感覚の冷やし中華とは一線を画し、しっかりと“食べさせる”構成。その味わいの奥深さも相まって、むしろ新感覚にすら思えることでしょう。

いや、こちらが元祖なのだから新感覚というのも妙な話ですが、「一周回って新しい」ーーそんな鮮烈な印象を残す、歴史的な名杯です。



ちなみに、水の代わりにサーブされるのは温かいジャスミン茶。これが食後の冷えた口内をじんわりと温め、酸味に染まった口の中をすっきりと中和してくれます。伝統に裏打ちされたその贅沢な余韻に、ぜひ最後の一滴まで浸ってください。
揚子江菜館
住所:東京都千代田区神田神保町1-11-3
営業:11:30〜22:00
定休:なし
http://www.yosuko.com

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