コロナ禍で止まってしまった時間

練習量を求め、木村さんはオーストラリアやスリランカへ渡った。しかし2020年、新型コロナウイルスが世界を襲う。
スリランカ滞在中、ロックダウンの気配を察知した木村さんは予定を切り上げて帰国。数日後には空港が閉鎖された。その後は海外へ行くことも難しくなり、挑戦は大きく足踏みする。
2021年、ようやく再びスリランカへ渡ることができたが、待っていたのは2週間のホテル隔離だった。
「本当にきつかったですね。誰とも話せない中、家族連れがバカンスを楽しんでいるのを横目に、一人で砂浜を走っていました。10日目くらいにはひとりで泣きましたもん(笑)。あのときは精神的に、かなり追い込まれました」。
愚痴や涙をこぼしても、現実は変わらない。木村さんは「雨が降っている時に怒っても雨は止まらない。だから、今できることをやろう」と自らを奮い立たせた。
帰国後も外出禁止ムードのなか、自宅で娘を背中に乗せて腕立て伏せをするなど、できることをただただ積み重ねた。「このままでは終われない」という一心である。
3/5