美しいだけでなく、視覚に刺激を与えるデザイン
レンジローバー・ヴェラールのエクステリアデザインに盛り込まれているアイデアのなかでもユニークなのが、フローティングルーフ。ピラー(柱)とルーフ(屋根)をブラックアウトすることで、ボディ上部が宙に浮いているような視覚効果を狙っている。

江之浦測候所の光学硝子舞台は、見る角度によっては海に浮かんでいるようにも見える。造形として美しいのはもちろん、背景にあたる空や海を使って視覚に刺激を与えようという試みが、両者に共通しているのだ。
光学硝子舞台は、京都清水寺の舞台と同じ檜の懸け造りで、その上に光学ガラスが敷き詰められている。
この施設にずっと来たいと思っていたという鈴木さんは、「想像以上に素晴らしいです」と感心してから、「今度はうちのヴェラールで家族を連れて来たいですね」と表情を緩ませた。
自然の光が主役のひとり
レンジローバー・ヴェラールのつるりとしたボディは単体でも美しいけれど、太陽光をやわらかく反射する瞬間や、表面に木漏れ日が映り込むと、さらに味わい深くなる。
自然の光が重要な役割を演じているのは、江之浦測候所も同じだ。

鈴木さんが歩いているのは、冬至光遥拝隊道というトンネルの屋根にあたる部分だ。冬至の日の出には、このトンネルに朝陽が差し込むように設計されている。
アート施設でありながら「測候所」と名乗ることを不思議に思う方もいるかもしれない。新たなる生命が再生される冬至、重要な折り返し地点の夏至、通過点である春分と秋分と、天空を測候して自身の場所を確認することがアートの起源だと杉本博司は考えたのだ。
冬至の朝には、相模湾に昇る朝陽が70メートルの冬至光遥拝隧道を照らす。隧道の中ほど、井戸の上部は採光のために開け放たれおり、日光が井戸の中に置かれた光学ガラスを輝かせる。

レンジローバー・ヴェラールのエクステリアデザインはエレガントで、都市の景観に映える。ただしそれだけでなく、森や海など自然の風景に溶け込む。おそらくその理由は江之浦測候所と同じく、自然の光を大切に考え、デザインのひとつの要素としてとらえているからだろう。
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