
生まれ育った浅草の街にお気に入りのジーンズを着て現れた浜口京子さん。オリンピック2大会連続メダリストであり、世界選手権5回、全日本選手権16回優勝を果たした最強アスリートでありながら、纏う空気は驚くほど柔和だ。
現在48歳。いま熱中していることやこれからの夢、そしてレスリングとの向き合い方を語ってくれた。
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浜口京子●1978年生まれ、東京都出身。14歳からレスリングを始め、世界選手権で5度の優勝、オリンピック2大会連続で銅メダルを獲得するなど、最重量級の絶対的エースとして活躍。全日本選手権では歴代最多の16回優勝を誇る。現在はメディア出演のほか、アニマル浜口トレーニングジムの運営に携わり、パーソナルトレーナーとしても活動中。
14歳でレスリングを始め、翌年に優勝

「ここ、私のランニングコースなんです」。そう話しながら、浅草で一番広いと空を見上げる浜口さん。レスリングで人生が一変した過去の自分に思いを馳せる。
「私がレスリングを始めたのは34年前、14歳の時でした。周囲に比べたら遅いスタートで、それまでは茶道や書道を習ったり、5時のチャイムが鳴るまで友だちと公園で遊んだりする自由奔放な子どもだったんです。それが、何かに導かれるようにレスリングにのめり込み、中学生で生活が180度ガラッと変わりました。
学校が終わってから練習に行き、スパーリングから始めてトップレベルの過酷な練習をみっちり2時間半。学生時代はレスリングどっぷりの生活でしたね」。

14歳から17歳まで続いた、まさに修行とも言える壮絶な日々。しかし、そんな毎日が彼女の心身を驚異的なスピードで鍛え上げていく。
「汗を吸った練習着で重くなったカバンを持って、22時台の最終バスに乗り込む。迎えに来てくれた母と一緒に歩いて帰りながら、今日はこんなことをやった、あんなことをやったと、いろんな思いを吐き出していました。そんな生活が3年以上。その日々の積み重ねが確実に私を強くしていったんです」。

その後の躍進は凄まじかった。15歳で挑んだJOC杯で初優勝、17歳でアジア女子選手権、全日本選手権をともに制覇。さらに19歳から3年連続で世界選手権で優勝を果たし、2002年、03年にも同大会で世界の頂点に立った。浜口さんがどれだけ規格外の青春を駆け抜けていたかが伝わってくる。
「10代の頃はレスリングと並行してボディビルの大会にも出ていたので、日焼けして肌は真っ黒でした。制服は超ミニスカートで筋肉質。減量もしていたし、浅草の街では相当目立っていたみたいです。まだ、世の中にガングロギャルが登場する前のことだから、『あの子は一体何をやってる子なんだろう』って(笑)」。
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