AIは、人材の価値を高める
LCGの強みは、レバレジーズの60以上の事業でAI駆動開発を実装し続けてきた「実践知」にある。
「AI駆動開発の知識は、実際にやってみないとわからないことだらけです」と岩槻は言う。レバレジーズは社内のプロジェクトを、AI駆動開発のレベルでおよそ3つに分けているという。
「長く運用してきた既存システムでは、ソースコードの可読性を保ったまま、慎重にAIを取り入れる。比較的新しいシステムでは、可読性を担保しながら、もう一段踏み込む。そして可読性を意識せずに書ける案件では、ひとりがAIを使い、3週間で50万行を超えるコードを書くこともありました」
どのプロジェクトに、どの手法が最適なのか──AIネイティブの開発には、まだ標準化された型が存在しない。
「自分たちで運用し、試行錯誤するなかでしか得られない知見があります。大企業ほど、一気には変われない。だからこそ、顧客の状況に応じて段階を見極め、最適なやり方を提案できることに意義があると考えています」
では、AIの普及は人材にとって何を意味するのか。岩槻の見立ては明快だ。
「ボストン大学のジェームズ・ベッセン氏の分析でも、私たちのレバテックで実際に起きていることを見ても、エンジニアの数は増え続けています。生産性が上がり開発のコストが下がると、これまで1年半〜2年ほどかかっていた開発期間が半分になる。開発コストも3分の1程度まで下落する可能性があり、『ソフトウェアでできること』という意味でのDXの需要そのものが膨らんでいくのです」
出典:Citadel Securities、Indeed ※過去の数値は将来の結果を保証するものではありません。
必要とされる人材の価値は下がらない。むしろ、AIを使いこなし戦略から実装までを担える存在、つまり「FDE」や「DS」の需要は高まり続けると、岩槻は確信している。ではなぜ、その変化に既存のプレイヤーは動きにくいのか。
「既存のコンサルファームは上流に特化し、コーディングは外部に出してきました。SIerは、準委任契約だと既存の課金モデルのまま大きく生産性を高めないほうが収益が生まれるという構造も存在しやすい。長年の成功モデルを、自ら壊さなければならないのです。一方で私たちのような新興のファームには、守るべきレガシーがない。だからこそ、早く変革に踏み出せます」
昨今ではIT投資額が膨らむ一方で、収益性向上に直結しないケースも少なくない。背景のひとつにあるのが、開発や運用を外部に委ね続け、特定のベンダーから抜け出せなくなる「ベンダーロックイン」の構造だ。特定ベンダーに頼るほど、自社でコントロールを失い外注単価が下がらない。そこでLCGは「内製化支援」を掲げ、顧客企業がAI駆動開発を回せる状態をつくるという。
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