2種の卵がパックされた6個入り(900円)。塩田弘子さんが青い卵、アローカナ(画像奥)に出会い「これだ!」と確信したのが、山恵園の原点。濃厚な甘みのアローカナとコク深いネラ(画像手前)は、養鶏場で購入可能(要事前連絡)。
クルマを山側へと走らせ、その先の山間にある養鶏場「山恵園」へ。ここでは山の斜面を活かした放し飼いの環境で、鶏が陽光を浴びて過ごしている。
その餌となるのは、地元の魚のあらや規格外の野菜など。この街から出たものが、鶏に渡り、やがて卵となって食卓へ還る。その味わいは、まさに湯河原の凝縮。近隣のレストランや旅館が、こぞってこの卵を求める理由もそこにあるのかもしれない。
代表の塩田弘子さんは、会社員から未経験で養鶏の世界へ転身。納得のいく飼育が定まるまでの2年間は、いっさいの販売を行わなかったという徹底ぶりだ。現在は、役目を終えつつある鶏の卵をプリンに加工することで、鶏たちが天寿を全うできる仕組みを模索している。
一番人気は、飯田商店の鶏出汁醤油らぁ麺 3食セット(具材付き/3900円)。黒さつま鶏黒王や比内地鶏、羅臼や利尻などの昆布で引いたスープに、8種の天然醸造醤油をブレンドし、自家火入れしたタレを合わせている。
湯河原の締めくくりは、駅に直結する「飯田商店 お土産直売所」。この町の存在を全国区に押し上げた飯田商店のテイクアウト品を揃える店だが、並んでいるのは単なる再現商品ではない。作り手の思想が宿るスープや麺には、その志がそのままパッキングされている。
助手席に置いた、ずっしりとしたお土産の重み。それは、この町で出会った誠実な作り手たちの体温そのものだ。
OCEANS7月「Wellness is Wealth」号から抜粋。さらに読むなら本誌をチェック!