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サイエンスとアートが交じり合う船上で見えてくるもの

船内通路の一角。タラ号の内部には、航海と研究、そして暮らしが無駄なく収められている。

船内通路の一角。タラ号の内部には、航海と研究、そして暮らしが無駄なく収められている。


一般的な探査船と異なるタラ号独自の特徴として、アーティストが同乗していることも挙げられる。別枠の文化プログラムとしてではなく、あくまでプロジェクトの一環だ。
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研究者たちと同じ空間で生活し、現場に入り、作業にも関わりながらインスピレーションを受け取っていく。作品を船上で作ることもあれば、下船後に形にすることもある。研究者も彼らの存在から刺激を受ける。

サンゴ礁を見たとき、研究者は種数や分布、機能を測る。だがアーティストは景色そのものを美しいと感じる。そうやって科学の場に豊かな感性が交わることで、数字だけでは見えなかったものが浮かび上がる。サイエンスとアート。学術的には異なる分野だが、その距離感は驚くほど近い。健康な生態系を美しいと思うのも、海を理解する入り口になりうるのだ。

フランス語で「カレ(carré)」と呼ばれる共有スペースは、食事をし、会議をし、ときにはほっとひと息つく場所でもある。そのカレに自然と人が集まる船内の風景。

フランス語で「カレ(carré)」と呼ばれる共有スペースは、食事をし、会議をし、ときにはほっとひと息つく場所でもある。そのカレに自然と人が集まる船内の風景。


人間のためだけに自然を守るのではない。生命全体の健康のために、生態系を守る。それは、生き物を観察し、写真に収め、服のデザインにも自然を取り入れてきたアニエスベーの感性にもつながっている。
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ファッションブランドが科学探査船を支えるのは、遠いようにも思えるが、よく考えればむしろ自然なことなのかもしれない。美しいものに感動し、失われる前に守りたいと願う。その思いを研究や発信、共同体の運営にまで落とし込んでいるのがタラ号なのだ。


OCEANS7月「Wellness is Wealth」号から抜粋。さらに読むなら本誌をチェック

軍記ひろし=写真 池田鉄平=編集・文

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