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亡くなった人に、もう一度会えるとしたら

©︎2026フジテレビジョン・ギャガ・東宝・AOI Pro

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是枝さんの新作映画『箱の中の羊』は、AIやヒューマノイドを題材にしながらも、描かれているのはテクノロジーの未来だけではない。
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着想のひとつにあったのは、2年ほど前に目にした、中国で死者をAIとして蘇らせるビジネスが人気を集めているという記事だった。母親の死を受け入れられない子供が、寝る前にパソコン上で再現された母親とやり取りをし、「おやすみ」と言って眠る。そんな事例に触れたとき、是枝さんに小さな違和感が芽生えたという。

「もう一度会いたい、思いを伝えたいという、後に残された人たちの切実な気持ちはわかります。でも同時に、死者という存在はいったい誰のものなのか、という疑問も抱きました」。

©︎2026フジテレビジョン・ギャガ・東宝・AOI Pro

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物語の舞台は、少し先の未来。2年前に息子・翔を亡くした夫婦のもとに、翔と同じ姿、声、笑顔を持つヒューマノイドがやってくる。綾瀬はるかが演じる妻・音々はその存在を喜んで迎え入れるが、大悟が演じる夫・健介は、戸惑いを隠しきれない。見つめたのは、死者とどう向き合い、どう別れるのかという問いである。
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「死者は見えないけれど、その後も側にいる人だと考えていて。グリーフワーク というものがどう進むかが話の軸になっています」。

※大切な人やものを失ったあとに生じる悲しみ・喪失感(グリーフ)と向き合い、少しずつ受け入れていく心のプロセスのことを指す。心理学や精神医学で用いられる。

©︎2026フジテレビジョン・ギャガ・東宝・AOI Pro

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そして本作品は夫婦の物語として描くことにした。

「この作品について、あえて言うなら途中から“夫婦の話”だと思って撮っていました。夫婦って、もともとは他人じゃないですか。DNAでつながっているわけでもない。つまり、異質なものが家族という共同体の核にある。そこが逆説的で面白いと思うんです」。
4/5

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