試合用にあつらえた社名入りショーツ。会社がファーストネームで呼び合う文化ゆえか、フロントには「祥吾」の文字が入る。
──当初は「相手のパンチが本当に怖かった」と言う岡田さん。負傷して出勤し、社員に驚かれたこともあった。だがケガによってディフェンスの重要性を意識し、学習することで恐怖心は薄れていったという。そして小比類巻さんの直感どおりにめきめきと上達。始めてわずか5カ月で、「BUSHIDO」のリングに上がることになったのだ。小比類巻 試合はいかがでしたか?
岡田 とても楽しかったです。普段は社員を後方で支えるマネジメントの仕事をしていますが、本来の自分は、どちらかというとプレーヤー気質なので。
小比類巻 最初に、対戦相手のミドルキックがボディを直撃しましたね。
3月6日に開催された「EXECUTIVE FIGHT BUSHIDO」でのデビュー戦。右ストレートで1ラウンドKO勝ちを収めた。
岡田 レバーに入って、「こんなに効くものか」と焦りました。でもあのミドルを受けて冷静になった部分がありました。しっかりとディフェンスして、チャンスが来たらプッシュしようと。
小比類巻 その後、得意の右ストレートで逆にダウンを奪いました。そして残り1分でさらに攻め込みましたね。
岡田 はい。セコンドから「行け!」と声が掛かったんです。
小比類巻 そう言われて本当に行ける人は、決して多くないんですよ。リミッターを外さないといけないし、リスクも伴いますから。見事にプッシュして、1ラウンドKO勝ちを収めました。
岡田 本当は左も混ぜたかったのですが、右だけを打ち続けていました。あれは本能だったと思います。
試合後のスピーチ。この日、岡田さんのセコンドを務めたのは、本連載にも登場したMOON-Xの長谷川晋さんであった。
小比類巻 さて、キックを始めておよそ半年が経ちました。身体はどんなふうに変化しましたか?
岡田 ぐっと締まりました。体重が6kg落ち、試合後もリバウンドすることなくキープできています。短期間でここまで脂肪が落ちたのは驚きです。
小比類巻 メンタル面は?
岡田 確実に変化しています。ハードな練習への耐性がつきました。“つらさのリミッター”があるとしたら、以前は8割までしか耐えられなかった。でも今は、9割5分まで踏ん張れます。
小比類巻 忙しいなか、週2回のトレーニングをよく継続していますね。
岡田 朝の練習後は仕事の生産性が上がりますね。会社に着いたときは既にエンジンがかかっている感じ。1日中元気で、ポジティブでいられるんです。
小比類巻 道場に通う経営者の方々は誰もがそう言ってくれます。
岡田 練習中の1時間は仕事のことを考える余裕はないですし、スマホも見ません。キックに集中したぶん、練習後は頭がクリアになっているんです。
小比類巻 試合を経験して、ここから本当の強さが身に付いてくると思いますよ。この先はぜひ、階級別のチャンピオンを目指してほしいですね。
得意としている右ストレート。「左のガードが下がらないのがいいですね。ディフェンスの意識が高く保たれています」と小比類巻さん。
岡田 「BUSHIDO」の試合は自分にとって本当に貴重な機会。一戦一戦、大事に戦っていきたいと思います。でも当初は、そこまでキックボクシングにコミットするつもりはなかったんです。
小比類巻 ではなぜ、全力を?
岡田 キック以外にも、さまざまな学びがあるからです。最も直接的な学びはコヒさんのコーチング。年下の人間にも敬意を持って接してくれる。伸びしろを見極めてギリギリこなせる課題を与えてくれる。だから本気で挑めるんです。プログリットのお客様も、経営者をはじめ上昇志向の強い方が多いんです。そんな方々にどうアプローチしたら、本気で英語学習に取り組んでもらえるのか。そのヒントも、勝手に学ばせてもらっています。
小比類巻 それはうれしいですね。苦言を呈されるかもしれないと思っていたので、ほっとしました(笑)。
──小比類巻さんが事業の目標をたずねると、岡田さんはこう明言した。「数字的には、2035年までに売り上げ1000億円を超えること。定性的には、英語業界でナンバーワンになることです」。“PRO(前進)”と“GRIT(やり抜く力)”を組み合わせた社名を体現するように、岡田さんはビジネスとキックボクシングの両方をやり抜き、前へ進み続けるに違いない。 [KOHI’s NOTE]
・週2回のトレーニングで「自分史上最良の身体」をキープ。
・練習後は仕事の生産性が上がり、ポジティブな気持ちに。
・どんな経営者もリングの上では純粋なプレーヤーになれる。
・キックボクシングもビジネスもナンバーワンを目指す。
OCEANS6月「What’s Luxury?」号から抜粋。さらに読むなら本誌をチェック!