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2026.05.12

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「日本の焼肉は高級フレンチ級の贅沢」イタリア人マッシと外国人観光客が魅了された和牛の魅力


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「イタリア人マッシのブオーノ・ニッポン!」とは……

外国人観光客を魅了する日本グルメの中で、寿司やラーメンに引けを取らない支持を得るのが「和牛」だ。

なかでも、牛肉を自ら焼き上げる「焼肉」というスタイルには、訪日客を惹きつけてやまない独自の魅力が詰まっている。金沢を拠点に活動するイタリア人マッシさんが、その人気の核心を深く掘り下げていく。
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【写真11点】「マッシも魅了された和牛」の詳細を写真でチェック
案内人はこの方!
マッシミリアーノ・スガイ●1983年生まれ、日本食が大好きなイタリア人フードライター。 KADOKAWAよりフードエッセイ『イタリア人マッシがぶっとんだ、日本の神グルメ』を出版。日伊文化の違いと面白さ、日本食の魅力、食の美味しいアレンジなどをイタリア人の目線で発信中。

マッシミリアーノ・スガイ●1983年生まれ、日本食が大好きなイタリア人フードライター。 KADOKAWAよりフードエッセイ『イタリア人マッシがぶっとんだ、日本の神グルメ』を出版。日伊文化の違いと面白さ、日本食の魅力、食の美味しいアレンジなどをイタリア人の目線で発信中。


自分で肉を焼く=食べる以上の没入感

今回は、外国人が日本に来て最も衝撃を受け、そして最も虜になる食文化のひとつ「焼肉」について掘り下げたい。

最近では世界中で「Wagyu」という言葉が魔法の呪文のように広まっているけど、実は焼肉というスタイルそのものが、外国人にとっては驚きと発見に満ちた「エンターテインメント」だ。僕が初めて日本の焼肉店に足を踏み入れたときの感動、そしてなぜ今、世界中が日本の焼肉に熱狂しているのか。その核心に迫ってみよう。



まず、海外の人間にとって「肉を食べる」といえば、キッチンでシェフが完璧な状態に焼き上げたステーキが皿に乗って運ばれてくるのが一般的だ。客の仕事は、ナイフとフォークを動かすことだけ。ところが、日本の焼肉は違う。テーブルの真ん中に鎮座するコンロや七輪。そこに運ばれてくるのは、美しく輝く生の肉だ。



初めて見たとき、僕は正直驚いた。「え、僕が焼くの?」と。でも、この「自分で調理する」という行為こそが、僕にとってカルチャーショックであり、最高のアトラクションでもあった。

トングを操り、自分の好みの焼き加減を見極める。肉が網の上で踊り、脂が弾ける音、立ち上る香ばしい匂い。これらは五感を刺激するライブパフォーマンスだ。自分で手を動かすことで、ただ食べる以上の没入感が生まれる。

不思議なことに、自分で焼くと「美味しさのギア」が一段上がるような気がする。それは、食べるプロセスそのものに参加しているという高揚感があるからだろう。



僕は、イタリアから来た友人を初めて焼肉に連れて行ったときのことをよく覚えている。彼は最初、「本当に僕が調理するの?」と、自分で焼くのを面倒くさがっていた。でも、いざトングを握り、自分の加減で焼き上げた最初の一枚をタレにくぐらせ、口に運んだ瞬間。彼は黙り込み、目を閉じた。

「マッシ、これはただの食事じゃない。自分が肉と対話して、一番美味しい瞬間を捕まえるゲームだ。なんて贅沢なんだ!」その時、彼と僕の間には、どんな高級フレンチでも味わえない不思議な連帯感が生まれていた。網の上で育てる一枚の肉が、僕たちをひとつにしたのだ。
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