「へリル」デザイナー 大島裕幸●1974年、香川県生まれ。文化服装学院卒業後、コレクションブランドのデザイナーアシスタントやケイタマルヤマを経て、ベイクルーズに入社。ジャーナルスタンダードの企画などを歴任したのち、2019年に独立してヘリルをスタート。天然素材の魅力を活かした服作りを実践する。
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すべての写真を見る お客さんから「大島さんは服の流行がわかってないね」って冗談交じりに言われることが結構あるんです。そう、本当にわかってない(笑)。というか、むしろそういう情報を遮断しています。
ファッションだけでなく何かをインプットしようとして、映画を見たり、旅行に行ったりとかも全然しないので。
「素材はシルク65%、コットン35%。混率は最初から決めてなくて、シルクとコットンのいい塩梅を作りながら探っていったらここにたどりつきました」。ネップのある表情が優しげ。洗濯していくともっといい風合いになるとのこと。4万6200円/へリル(にしのや 03-6434-0983)
例えば、ヘリルではシーズンテーマみたいなものを特に設けていないんですよ。前職が大手セレクトショップの企画だったので、マーケティング的な手法を散々用いて服作りをしてきました。
ある程度結果も出しましたし、いわゆる「売れる服」を作るノウハウが身に付いた。けれども自分が独立したのは、そんなマーケティング的な服作りに少しフラストレーションを感じていて、その真逆をいきたかったからなんです。
無染色のカシミヤパンツ。夏でも着られるカシミヤ、というコンセプトでカジュアルに仕立てた。「度詰めした薄手の生地に製品洗いを繰り返すことで、表面に凹凸を与えました。黒もありますが、それを楽しむならば無染色がおすすめです」。19万8000円/へリル(にしのや 03-6434-0983)
ブランド名は「ヘリテージ(Heritage)」と「ウィル(Will)」の造語。大の古着好きでもあるので、普遍的な服の魅力に、自分らしさをどれだけ注ぎ込んでいけるかということになるのかなと。僕自身、服作りは趣味だと思っていて、好き勝手にやっています。
一方、デビューが遅いので、それまでの多くの経験が今のヘリルの礎になっています。いくら好き勝手とはいえ、きちんとビジネスとして成立させないといけないですからね。
服は着はじめてからが本番といいますか、着たあとからだんだん良くなっていくもの。体に馴染んだ服は愛着が格別ですからね。だからこそ、ヘリルでは素材選びから製法まで徹底的に吟味します。
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