「ユーゲン」デザイナー 小山雅人●1976年生まれ。2019年に自身のブランド、ユーゲンを立ち上げる。「幽玄」という言葉からインスピレーションを得て、シンプルでありながら奥行きのある美しさを追求。時流に左右されないタイムレスな服を提案する。
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すべての写真を見る 自分は何を表現したいのか? ブランドを設立する際に何度も自問自答した結果、行き着いたのが“オーラがあって、着る人に静かに語りかけるようなプロダクト”。そんなとき、日本人的な美意識を想起させる「幽玄」という言葉に出合ったんです。このキーワードが目指すべき服の理想と合致しました。
僕自身、1990年代のデニム・古着ブームでファッションに目覚め、2000年代のクラシコイタリアブームではイタリアの服作りに傾倒。その過程で、モードブランドもまたイタリアの職人たちの手を借りていることを知りました。伝統的な技術を用いてモードな服を仕立てるという手法は、まさに僕が大事にしていた「伝統と今の狭間」そのもの。ここに、自分のフィルターを通した服がユーゲンです。
多様を意味する“VARIOUS”が今季のテーマ。ブランドの定番シャツから派生し、「上のピンストライプシャツはベージュに製品染めし、ふっくらとした素材感。下のワンピースカラーシャツは鮮やかなブルーが魅力です」。各4万6200円/ユーゲン(イデアス 03-6869-4279)
服作りに「今」を閉じ込める。そのために僕がしていることは情報の収集です。シーズンごとに1冊、自分のクリエーションをしたためるノートを用意。シーズンテーマとなるワードを捻り出すのも、その先のラフスケッチやデザイン案を書き溜めるのも、すべてその1冊で行っています。
ちなみに、その冒頭には毎シーズン、自分が決めたいくつかの「マイデザインフィロソフィ」を書き写して、初心に帰っています。シーズンテーマは、自分が気になった「今」を感じるワードをマインドマップのように雑多に記したなかから一語を抽出します。
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