名店② 小田原系以外のラーメン代表格「くまもとらーめん ブッダガヤ」

2軒目にご紹介するのは、「くまもとらーめん ブッダガヤ」。同店の創業は1978年。店舗の場所は小田原駅から徒歩10分程度。屋号が指し示すとおり、同店が繰り出すのは、ご当地麺「熊本ラーメン」だ。
店主は熊本ラーメンの名店「桂花」が栄華を極めた黄金期に修業し、独立を果たしたベテラン中のベテラン。独立開業後、約半世紀にわたり修業先の味を頑なに守り続けてきた精神力は、素直に敬服に値する。

同店が提供する麺メニューは、「くまもとらーめん」をはじめ多岐にわたるが、オススメは時間を掛けてじっくりと煮込んだ角煮がトッピングされる「ブッダガヤ」。
白濁豚骨スープは一切の雑味を除きながらも豚の素材感を丁寧に表現した職人技の極致。すする度に豚のまろやかなうま味とコクが味蕾を溶かし喉元を潤す。

スープに一層の奥行きと華やぎをもたらすのが、スープ表面を覆う濃茶色のマー油だ。マー油から迸る「焦がしニンニク」の艶やかな香味とまろやかな苦みが、豚の豊潤なコクと舌上で交ざり合い、快楽中枢を直撃。ひとすすりで、脳内からドーパミンが噴出する垂涎の味わいを創り出すことに成功している。
このスープとタッグを組むのは、しっかりと硬めに茹で上げられた太ストレート低加水麺。歯切れがパツンと良好でスープのうま味を余すところなく持ち上げる、このスープにしてこの麺あり、の逸品。
小田原の地にありながら、時代の流れや地域の嗜好に翻弄されることなく、数十年もの長きにわたり、遠く離れた「熊本ラーメン」の王道を守り続けてきた事実はこの上なく重い。
ラーメン店という枠を超えた、味の守り人。小田原ラーメンシーンにおける「ブッダガヤ」の位置付けは、そのひと言に尽きるのではないだろうか。ぜひ、この孤塁とも言える名店が紡ぎ出す、本場・熊本の味を堪能していただきたい。
くまもとらーめん ブッダガヤ
住所:神奈川県小田原市栄町3-14-14
営業:11:30〜14:00/17:00〜20:20、土日祝は11:30〜20:20
定休:月曜
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